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2017年10月02日掲載 − 対話する − 福島県の高校生とベルリンを歩く
• 日本の新しい高校生たち •

日本のNPO法人アースウォーカーズは、福島県とドイツの高校生たちが交流するプロジェクトを実施しています。福島県の高校生八人がドイツでホームスティしながら、ドイツの高校生に地震と原発事故後の福島県の状況を話します。再生可能エネルギーに切り換えるドイツのエネルギー転換政策について現地で勉強しながら、ドイツの高校生たちと歴史や政治についてディスカッションします。


ぼくはこれまで二回、福島県の高校生と一緒にベルリン中央駅、ドイツ連邦議会議事堂、ホロコースト記念施設などのナチス・ドイツの過去を記録する施設を見て歩きました。


自分の脚で街を歩いて、自分の肌でベルリンを感じてもらいます。ぼくは、その場に係りのある環境の話や政治、歴史の話をしました。ちょっとしたことが、実は自分の暮らしと密接に関係していることを知ってもらいたかったからです。それが、自分で考えるきっかけになればと思いました。


全国で統一された詰め込み学習。日本の教育は、暗記した量で成績が決まります。考えさせることを主体に、先生が独自に学習カリキュラムをつくることのできるドイツの教育とは、大きな違いがあります。高校生たちはドイツの高校生たちと対話して、自分たちとの違いを感じ取ります。


日本の学校教育の問題は、英語でコミュニケーションする場合にも明らかになります。進学校に通っている高校生のほうが、コミュニケーションできません。進学校で英語の成績のいいはずの高校生がしゃべれない。文法が正しいかどうか、まず頭の中で考えてしまうからです。すぐに思うことが口から出ません。英語はまず文法だという枠組みが、頭にできてしまっているからです。本来コミュケーションするためにあることば。それが、文法の枠組みに縛られてしまっています。ドイツにきて、進学校に通っている生徒のほうが英語に自信をなくしてしまいました。


わずか一〇日余りのドイツ体験。高校生たちは毎日、早いテンポで変わっていきます。日本に帰国する前、高校生たちがドイツの空港で感想を語っています。


●  現地の高校にいった時に、(ドイツの高校生の)みんなが授業中に手をあげて授業を止めるくらいに自分の意見をちゃんと持っていた。(日本で)授業する時も自分で考えながら、自分の意見をいえるような人になりたい

●  ドイツの高校生と交流してみて、自分の考え方とか価値感も変わってきて、将来に役立つようなことがいろいろたくさん学ぶことができたと思う

●  ベルリンで学んだことを日本で伝えたり、ベルリンで学んだことを日本でまねしていきたい

●  ドイツの高校生は、エネルギー事情や歴史など自分たちのことについてとても詳しく知っていたのに、わたしたちは自分たちの問題である原発事故についても知らないことがたくさんあった。そう意識して生活するというところをドイツの高校生から見習いたい

●   私たちは(福島県で)こういう状況に置かれているのに、学ぼうとしないで過ごしていると感じさせられた。ドイツの高校生たちは、自分の意見をすぐに発表していた。わたしはそういうことをしていなかったので、これからは自分の意見を周り(の人)に伝えられるようにしていきたい

●  日本に帰ってからは、ここ(ドイツ)で学んだことや感じたことを忘れずに、自分がしたいことが明確に見つかったので、がんばっていきたい

●  日本の高校生と若い人たちが、日本の歴史に軽くしか触れていないことを改めて感じさせられた。外から日本を見ると、改めて日本のいいところ、悪いところが見えてきて、すごくいい機会だった

●  ドイツでは本当にいろいろなことを学び、このビデオの中でしゃべるにはちょっと時間が足りないかなと思う。ただ一つだけいえば、日本には言論の自由があるといわれているが、どこかで圧力がかかって真実とは異なることが伝えられていると思う

福島県の高校生たちがドイツに滞在したのは、わずか一〇日余りです。それでも考える筋道を示せば、日本の高校生たちも自分で考えることができるようになります。高校生たちは帰国後、自分の意見をはっきりといえるようになったと、先生や父兄からいわれるようになりました。その能力を引き出していない、そうさせていない日本の教育、日本の社会に問題があると思えてなりません。


でも高校生たちが、日本社会でいずれ潰されてしまうのではないかと不安です。その圧力に抵抗して高校生たちを守るには、日本社会において大人も自分で考え、自分のいいたいことをはっきりいえるようになりたいものです。



(感想は、アースウォーカーズのサイトのビデオから引用)
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