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2014年10月27日掲載 − 脱原発 ・ 自然エネルギー
ドイツで電気料金が上がるわけ

ドイツでは、自然エネルギーが増えて電気料金が上がっているといわれる。でも実際には、自然エネルギーの普及で発電コストは下がっている。それでいて、なぜ電気料金が上がっているのか。そのからくりを明らかにしたい。


ドイツでは、電気を取引する取引市場がある。卸の取引ということだ。電気の卸取引価格は、燃料費やメンテナンスにかかる費用で決まる。

これを専門用語で限界費用という。自然エネル ギーは、限界費用がほとんどゼロに近い。自然エネルギーでは、最初の設備投資だけにお金がかかって、メンテナンスや燃料費がかからないからだ。


だから、自然エネルギーで需要を賄える時間帯は、メンテナンスや燃料費のかかる火力も原子力も、自然エネルギーには勝てない。

本当は、自然エネルギーが増えれば増えるほど電力は安くなる。取引市場では、電力がどう発電されたかは関係ないからだ。


問題は、自然エネルギーで発電された電力の固定買取価格を規定している再生可能エネルギー法だ。これは、Feed in Tarif(FiT)という制度だ。

この制度は自然エネルギーを普及させるために、自然エネルギーに投資しやすく、投資リスクがないように電力会社に自然エネルギーで発電された電力を優先的に買い取らせ、その買取価格を市場価格よりも高く規定している。


その結果、電力取引市場で自然エネルギーの増大で電力が安くなれば安くなるほど、取引市場での取引価格と固定価格の差が大きくなる。

この差額は、電力料金で回収される。つまり、消費者負担ということだ。

だから、自然エネルギーが増えれば増えるほど電力コストは安くなっているのに、固定価格買い取り制度があるので、消費者の負担が逆に増えるという矛盾が生まれている。


ここでいう消費者はほとんどが、中小企業と一般消費者だ。というのは、経済界の圧力で、国際競争に曝されている電力消費の多い大企業がこの差額を負担するのを免除されているからだ。

大企業のほうが、自然エネルギーのおかげで電気料金が安くなって得していることになる。逆に、大企業が得している分、一般消費者の負担が増え、電気料金が高くなっている。

前政権の中道右派政権の時にこの免除規定が拡大され、国際競争していないドイツ鉄道なども免除された。その結果、一般消費者の負担がより増え、電気料金が益々高くなっている。


それが、ドイツで電気料金が高くなっているからくりだ。だから、自然エネルギーが増えると、電気料金が上がるというのは正確ではない。

今は、自然エネルギーを増やすための過渡期にあるから、電気料金が上がっているにすぎない。固定価格買い取り制度が不要になるくらい自然エネルギーが普及してくると、電気料金は俄然下がるはずだ。


(2014年10月27日、まさお)
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