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2014年5月11日掲載 − 脱原発 ・ 自然エネルギー
インタビュー:
ジルヴィア ・ コッティング ・ ウール(1)

緑の党 ・ 90年同盟国会議員団原子力政策責任担当議員
Q:ドイツ政府は脱原発を決定したが、ドイツがそうした決定的なポイントは?

フクシマ事故が決定的なポイントだった。

その後、倫理委員会で事故のこと、脱原発による影響が評価された。野党も含め、政治全体で評価されたのはいうまでもない。その結果みんなが、原子力のリスクは大きすぎると判断した。

日本で原発事故が起こったというのが大きかった。日本が民主国家であり、ハイテク国家であり、ドイツと似ているからだ。

チェルノブイリ事故の起こったウクライナの場合は、技術力がなく、行政管理も行き届かず、民主国家でなかった。そのため、ドイツの比較対象とはならない。その結果、ドイツではそういう事故は起こらないだろうと考えられた。

それに対して、日本で起こったことはドイツでも起こる可能性がある。


Q:その時、ドイツ市民はどういう役割を演じたのか

ドイツ市民は政府に大きな圧力をかけた。2010年秋に政府が脱原発を見直した時に、10数万人の市民が抗議デモに参加した。フクシマ事故が起こった時も20万人、30万人の市民が抗議デモに出た。

政府はそれによって、市民からたいへん大きな圧力を受けることになった。


Q:ドイツ経済界は脱原発をどう思っているのか

ドイツ経済界は、電気料金が高くなることを心配している。ただ世界各国で電気料金が高くなっており、電気料金の高騰はすべての国で心配されている。

各国政府はそのため、経済界、特にエネルギー消費の多い産業を特別扱いして安価な電気を提供している。ドイツもその例外ではない。

将来的には石炭、石油、ガスが高くなり、原子力も事故が起こると極端に高いものとなる。

一番安く手に入るのは、再生可能エネルギーだ。すぐに安くなるということではないが、まずそれに投資していかなければならない。

そうすれば、次の世代、われわれの子どもたちの時代には、電気料金は安くなっている。それは、産業界にとってもだ。


Q:ドイツ経済界は脱原発を受け入れたのか

そうだ。もちろん経済界はできるだけ安い電気料金を求め、特別扱いを要求している。しかし基本的に、ドイツ経済界は脱原発を受け入れた。

たとえばドイツ大手総合メーカのジーメンス社は、原子炉製造事業から撤退した。(電力会社の)RWEも、英国での原子力発電事業から撤退した。その他の企業も追随している。

ドイツでは原子力技術にもう将来性がないとされ、原子力技術を輸出するつもりもない。その結果、企業の関心は再生可能エネルギーとそれに関連する技術に移行している。


Q:政治決定が(経済界にとって)重要だったということか

そうだ。政治決定だ。

まず市民が(原子力は)いらないと意志表示をしたので、政府は決定せざるを得なくなった。政府は(脱原発)政治決定とともに、再生可能エネルギーへの転換を図らなければならなくなった。

ただすべての人がそれでいいと思っているわけではないので、まだ啓蒙活動が必要だ。

でも経済界は、原子力に将来性がないので、将来市場で生き残っていくには再生可能エネルギーが中心になると見て、すでにその準備に入っている。

政治が脱原発を決定した以上、ドイツの市場ではもう原子力は必要とされないからだ。


(議員会館議員事務所でインタビュー)
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