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2017年3月17日掲載 − 脱原発・自然エネルギー − エネルギー選択宣言 − 1章 電力の小売りが全面自由化された
日本では、風力発電が少なすぎる

日本の環境省は、ほぼ毎年のように日本における再生可能エネルギーの導入ポテンシャルに関する調査報告書を発表しています。報告書は、日本でどのくらいまで再生可能エネルギーを拡大することができるのか、その可能性を示します。それに、農水省のバイオマスに関する導入ポテンシャルを加えたのが表3です。推定値を選ぶに当っては、それぞれの最大値を選びました。


表3  日本の再生可能エネルギー導入ポテンシャル
(環境省と農水省の資料から筆者が抜粋して作成。空欄は、参照した報告書に記載がないことによる)

表3の風力発電(陸上と洋上)の年間発電量を見てみましょう。それだけで、3兆6400億kWhに上ります。電事連のデータによると、2014年度の年間電力需要は8230億kWh。風力発電のポテンシャルは、その4倍以上に相当します。


ぼくは、洋上風力にはあまり賛成していません。洋上風力は大型設備、大型投資になるので、大手電力会社を中心としたこれまでの発電市場構造に変化が生まれないからです。洋上風力発電の建設作業員、メンテナンス作業員が荒波で救命ボートに乗る訓練現場を取材したことがあります。洋上の作業が、命がけの作業であることも痛感させられました。


表3からわかるように、たとえ洋上風力を除いても、太陽光発電と陸上風力発電、バイオマス発電だけで年間8000億kWhの発電量になります。日本には、再生可能エネルギーだけで電力需要を十分に満たすだけのポテンシャルがあります。


日本では現在、再生可能エネルギーが発電全体に占める割合は3%余りにすぎません。そのうち太陽光発電が2%余りで一番多く、再生可能エネルギーの3分の2を占めます。次に、バイオマス、風力、地熱と続きます。太陽光以外は、まだほとんど発展していません。


今日本において再生可能エネルギーで発電されたグリーン電力を供給してもらおうとすると、この電源構成ではグリーン電力の需要を満たすことができないと思います。昼間は、太陽光発電で需要を満たせるかもしれません。太陽の光のない夜間は、風力と地熱に頼るしかありません。でもそれでは、夜間の需要を満たせません。日本では、風力発電が少なすぎます。


ドイツでは夜間、風力発電がたいへん重要な電源になっています。日本にこれだけ風力発電のポテンシャルがあるにも関わらず、なぜ風力発電が進んでいないのでしょうか。夜間、ベースロード電力を供給する原子力発電と競合するからです。それを避けるため、風力発電を意図的に促進してこなかったのだと思います。


ダリウス型風車
ベルリン・ズュートクロイツ駅の駐車ハウス階段棟屋上に設置されたダリウス型風車

平地の少ない日本では、風力発電に適した立地場所が多くありません。でも、たとえばダリウス型風車などの小型設備を使えば、都市にあるビルの屋上でも風力発電を行なうことができます。


再生可能エネルギーを促進するためには、電源を適切にミックスして24時間再生可能エネルギーで電力を供給できるようにします。日本の電源構成は、まだ太陽光発電に偏りすぎています。一日の全体量としては、物理的に再生可能エネルギーで需要をカバーできるかもしれません。しかし、24時間常にグリーン電力を供給してもらえる保証はありません。特に夜間、グリーン電力の発電量が少ないので、ベースロード電力を供給する原子力発電に依存せざるを得なくなります。それでは、何のためにグリーン電力を選んだのかわかりません。


生物資源を使うバイオガス発電が少ないのも気になります。バイオガス発電は、需要の変化に合わせてピーク電力を供給します。天然ガス発電と同じように、需要の変化に柔軟に対応しやすいガスを燃料にしているからです。ドイツでは、バイオガス発電がすでにピーク電力を供給する発電方法として定着してきました。


(2017年3月17日掲載)

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