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2017年3月14日掲載 − 脱原発・自然エネルギー − エネルギー選択宣言 − 1章 電力の小売りが全面自由化された
FIT電力は、グリーン電力として扱われない

次に、送電網に供給された電力が再生可能エネルギーで発電されたグリーン電力であり、その電力量が消費者に供給された電力量と一致することを証明します。ここで注意しなければならないのは、ドイツにおいても、日本においても、固定価格買い取り制度(FIT)の枠内で再生可能エネルギーによって発電された電力が、市場では「グリーン電力」として取り扱われないということです。ドイツでは、この電力のことを「グレー電力」と呼んでいます(以下では、 「FIT電力」とします)。電源表示義務のない日本では、この電力だけが「FIT」と表示されることになりました。


固定価格買い取り制度は、再生可能エネルギーの促進を目的に再生可能エネルギーで発電された電力を流通価格よりも割高な固定価格で買い取ることを規定した制度です。固定価格は太陽光や風力など電源毎に異なり、発電施設の発電容量などに応じて規定されます。固定価格は新設される発電施設に対して規定され、その額は通常、毎年引き下げられます。しかし一旦確定した固定価格は、発電施設稼働後20年間有効となります。


ドイツの制度では、再生可能エネルギーで発電された電力を他の電源で発電された電力よりも優先的に買い取ることが義務付けられています。しかし日本の制度には、この優先買い取り義務がありません。


本来グリーン電力であるはずの電力が、なぜ「グリーン電力」とされないのでしょうか。


それは一つに、FITによる負担をすべての電源に共同で分配するためです。そのためFIT電力は、その他の電源で発電された電力と同等に扱います。もう一つの理由は、固定買い取り制度によって市場の流通価格より割高となる電力に以下の項で述べる電源証明証書をつけると、再生可能エネルギーの電力価値が二重に高くなるからです。


ドイツでは2014年末時点において、再生可能エネルギーによって発電された電力の割合は約27%でした。そのうちFIT電力が23%で、残りの約4%がFITの恩恵を受けずに市場で取引されるFIT外電力でした。


再生可能エネルギーの発電に占める割合は27%です。でも消費者に供給される電力には、FIT電力が平均で約38%含まれているとします。こうして、すべての電力商品にFITの負担を共同分配します。


でもどうして消費者向け電力商品では、FIT電力の全体に占める割合が実際の23%ではなく、それよりも1.5倍以上も多い38%になるのでしょうか。


それは、ドイツでは電力消費の多い企業にFIT負担が免除されているからです。その分、消費者の負担が増えます。再生可能エネルギーの割合の少ない初期段階では、問題ありませんでした。でも再生可能エネルギーの割合が高くなるにつれ、消費者の負担するFIT電力の割合が増えます。さらに、電力取引市場で取引される卸電力価格も下がってきました。その結果、卸価格とFIT制度による固定価格との差額がより大きくなります。その差額を消費者が電気料金で負担します。それが、ドイツで消費者の電気料金が高騰している原因です。FIT負担を免除されている企業と消費者の間で、不公平さが拡大します。


(2017年3月14日掲載)

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