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2017年3月15日掲載 − 脱原発・自然エネルギー − エネルギー選択宣言 − 1章 電力の小売りが全面自由化された
グリーン電力商品を認証する

これまで見てきたように、再生可能エネルギーで発電された電力を巡る公的な制度はとても複雑です。消費者には、簡単に理解できるものではありません。FIT外電力を電源証明証書によってグリーン電力として認証する公的な制度だけでは、グリーン電力が実際に供給されたことは保証されません。グリーン電力が本当に供給されたのかどうか、消費者は小売事業者のいうことを信用する以外にありません。


小売事業者の帳簿において、再生可能エネルギーで発電されたグリーン電力の購入量と供給量が「物理的に」一致しているのかどうか、第三者によって検査されなければなりません。そうしないことには、グリーン電力に対して消費者の信頼を得ることができません。


ドイツでは環境団体や消費者団体などの民間団体が共同で、独自にグリーン電力商品を認証して、基準に合格したグリーン電力商品に認証ラベルを与える認証制度を立ち上げました。その他、ドイツの第三者検査機関であるテュフ(TÜV、ドイツ技術検査協会)のノルト(Nord)、ズュート(Süd)、ラインラント(Rheinland)もグリーン電力商品を認証し、それぞれ独自のラベルを発行しています。その他民間企業による認証ラベルも含めると、現在12種のラベルがあります。


テュフ(TÜV)は、政府や公共団体の委託を受けて自動車や機械、電気機器、産業プラントなどの安全検査や認証を行なう民間検査機関です。これまで立地州の委託を受けて、原子力発電所の建設・運転許認可手続きにおいて安全性検査も行なってきました。脱原発を決定したドイツでは、原子力発電に係る検査はいずれ必要なくなります。テュフは将来を考え、原子力発電検査ビジネスから再生可能エネルギーの認証ビジネスへと検査サービスを移管しているともいえると思います。


認証サービスもビジネスです。できるだけ多くのグリーン電力商品を認証して、利益を上げなければなりません。認証基準が高すぎるとコスト高になり、小売事業者から敬遠される心配があります。逆に基準が低すぎると、グリーン電力商品として消費者から信頼を得ることができません。認証ラベルには高基準のラベルから低基準のラベルと、ニーズに応じていろいろなレベルのラベルがあります。それは同時に、グリーン電力商品にもその品質にいろいろなレベルがあることを意味します。


認証ラベルは、グリーン電力の発電事業者や小売事業者に与えられるのではなく、グリーン電力商品そのものに与えられます。原則として、電源証明証書のある電力だけを対象とします。


認証ラベルによって検査基準と対象が異なり、必ずしもすべてのラベルが信用できるわけではありません。テュフ(TÜV)のラベルの場合、検査する機関とラベルを発行する機関が同じで、それぞれが独立していないという問題も指摘されています。その他、民間企業の発行する認証ラベルでは、民間企業が公的な認証制度や大手電力会社と関わりがあるなど、第三者として独立性に欠けるという問題もあります。


ドイツ北西部ニーダーザクセン州の消費者協会は認証ラベルを評価し、その結果を2016年1月に公表しました。それによると、以下の項に挙げる「グリーン電力ラベル(Grüner Strom Label)」と、WWFドイツとエコ研究所、ノルトライン・ヴェストファーレン州消費者協会による「オーカーパワー(ok-power)」、それにテュフの一部のラベル以外は、グリーン電力の認証ラベルとしては推薦できないとしました。


消費者にとっては、有機食品ラベルのように、ドイツあるいはEU域内で統一された基準にしたがったラベルができれば一番わかりやすいと思います。しかしグリーン電力では、まだそこまで至っていません。


(2017年3月15日掲載)

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