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2017年3月21日掲載 − 脱原発・自然エネルギー − エネルギー選択宣言 − 2章 発送電分離と送電網の整備
土地を共用する

前項で、公道の共同利用の原則から、公道に埋め込まれる配電網の公道利用権が公共入札されることについて書きました。それでは、地下も使われる公道も含め土地とは何でしょうか。


ぼくは、ドイツと日本の土地に対する定義と文化の違いを感じざるを得ません。土地とは、地下も地上も含めて空間として捉えるべきものなのか。それとも、土地の表面だけのことなのか。


日本では、土地は個人所有と個人利用が基盤になっています。土地を所有していると、その土地は土地所有者の自由に使えます。しかしドイツでは、土地を所有していても土地は自由に使えません。土地を農地に使うのか、工場用に使うのか、あるいは住宅に使うのか。その利用目的が法的に規定されています。所有者がその利用目的を変更するには、正当な理由が必要となります。たいへんな法的な変更手続きを経て、変更しなければなりません。


これは、ドイツでは土地がたとえ個人所有であっても、土地に公共性、共有性、共用性が認められているからです。国土全体を共同利用する上で個人所有が認められていても、公共の便益が優先されます。土地は、個人の自由には使えません。土地はまた、地下も地上も含めた空間全体だと捉えられています。だから、建物の高さも地域で一定になるように制限されます。古い建物をリフォームする時も、古い建物の外壁は昔の景観を破壊しないよう残さなければなりません。


日本語の「国土整備」に相当するドイツ語は、「Raumordnung」といいます。これは直訳すると、「空間の秩序」という意味です。この表現は、ドイツの国土整備の基本概念を適切に表していると思います。


土地に公共性、共有性、共用性を与えることは、その土地の環境、文化、利益を共同で護ることでもあります。この土地に対する考え方は、送電網や配電網の利用においてばかりでなく、再生可能エネルギーを利用する上でもとても大切で、有効な考え方だと思います。そこには、空間の共同利用の原則があるからです。


(2017年3月21日掲載)

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