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2017年3月25日掲載 − 脱原発・自然エネルギー − エネルギー選択宣言 − 4章 電気だけで熱をつくらない
残飯でガスをつくる

バイオガス発電では、人間の生活に関わる食品の残さや残飯、生ゴミも原料として使用することができます。ホテルでの宴会やパーティでは、たくさんの残飯が残ります。これを単に捨てたり、燃料として燃やすのではなく、有効に再利用します。


ドイツでは廃棄物業処理業者が、スーパーなどで商品として販売できなくなった古い食品(主に野菜やパンなどの生鮮食料品)、ホテルやレストランなどで調理後に残った食品の残さや残飯、屠殺場で残った骨や内臓などの残さ、調理に使った古い油や脂肪油などを個別に回収します。


リフード社回収車
リフード社の残飯・古油回収車

この分野では、リフード(ReFood)社がドイツの最大手となっています。ドイツ大手廃棄物処理業者の子会社です。リフード社などこの分野の専用事業者は、独自の回収容器をレストランやホテルなどの回収先に設置し、顧客の要望に応じて定期的に容器を回収します。回収された容器は洗浄、消毒された後、再び顧客の元に返されます。こうしたロジスティックを、各社が独自に構築してきました。


リフード社は独自のバイオガス発電施設も保有して、発電と熱供給を行なっています。電力は自社で使い、余った電力を公共送電網に送ります。送電量からして、約5万世帯に必要な電力を供給する勘定になるといいます。熱は自社の工場などで使い、発酵槽に残った残さや消化液は家畜の飼料として利用します。


ドイツでは10年ほど前まで、残さはバイオディーゼル製造のための原料になっていました。バイオディーゼル燃料が税制的に優遇され、自動車の燃料として急速に伸びてきたからです。バイオディーゼルは軽油(化石燃料によるディーゼル)に混合するばかりでなく、バイオディーゼルだけで走る車も登場します。


しかし当時のバイオディーゼルは、主にアブラナなどを原料として製造されていました。食糧を供給するための農地が、自動車の動力燃料を製造するために減少していくことが心配されました。そのため2009年、自動車の燃料に占めるバイオディーゼルの割合を制限する規定が成立しました。現在、軽油におけるバイオディーゼルの混合割合は、最高7%までに制限されています。


リフード社は現在、レストランなどから回収した古い食用油だけを原料にバイオディーゼルを製造しています。2011年からは、廃食用油から製造するバイオディーゼルだけが法的に優遇されています。


家庭から排出される生ゴミは、堆積してメタンガスを回収するか、燃料として燃やして電力と熱を供給するために使われます。そのほうが、コストがかからないからです。


売れ残った古いパンを、パンを焼くオーブンの燃料とするパン屋さんも出てきました。それに対して、売れ残りの古いパンだけを専門に売るパン屋さんも登場しています。スーパーで古くなって廃棄される野菜の残りやその他の食品は、すでに述べたようにそれを回収してバイオガス発電に使うことができます。それに対して、それをスーパーからもらい受けて生活保護者やホームレスに配給したり、スープなどに調理して生活保護者やホームレスに炊き出している市民グループもあります。


エネルギー源となる食品の残さや残飯をどう有効利用すべきなのか。その場の環境や条件に応じて、ぼくたち自身で判断して選択しなければなりません。


(2017年3月25日掲載)

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