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2017年3月29日掲載 − 脱原発・自然エネルギー − エネルギー選択宣言 − 5章 エネルギーを使わない
人口の集中を避ける

ドイツの首都ベルリンの人口は、約350万人。それでも、ドイツで最も人口の多い都市です。日本の大都市に比べると、小さな都市です。


ベルリンには、政府機関や国会などの政治機能が集まっています。しかし、各省の下級官庁は首都ベルリンにあってはなりません。中央集中を避けるため、下級官庁は全国に分散されています。


ベルリンには、大手企業の本社もありません。フランクフルトは金融都市、ハンブルクは商業都市、ミュンヒェンとハンブルクはメディア都市です。ドイツでは経済機能も、全国に分散されています。


さらにベルリンには、司法の最上級機関である最高裁もありません。ドイツでは、裁判所が刑事/民事裁判、行政裁判、労働裁判、社会裁判、憲法裁判に分かれています。それぞれの最高裁も、地方に分散されています。


こうしてドイツでは、政治と司法、経済の機能が中央に集まって首都に人口が集中しないようになっています。それは、州においても同じです。州都に政治、経済、司法などが集中しないように、州内各地に各機能が分散されています。


日本でもようやく官庁の地方移転が検討され、総務省統計局や消費者庁、文化庁の一部を地方に移転する話が具体化しようとしています。しかし、まだごく一部にすぎません。


ドイツで地方分権化が進んでいるのは、中央集権化されたナチ時代の過ちを繰り返さないためです。戦後、意図的に中央集権国家を避け、地方分権化を基盤とした連邦国家を築きました。


今になってみると、それが再生可能エネルギーの普及と省エネにとても効果的であることがわかります。再生可能エネルギーは地産地消を原則として、分散化されたエネルギー供給システムを造ります。人口が大都市に集中していなければ、多量の電気を大都市に供給しなくてもいい。石炭火力発電所や原子力発電所などの大型発電施設も、必要もありません。


大都市に人口が集中すると、大都市周辺に居住する人口が増え、通勤通学で移動する人たちが増えます。大都市の巨大化で、通勤通学する距離がより長くなります。それに伴い、エネルギー消費も増えます。地方分権によって人が分散されると、エネルギー消費も分散されます。分散化された社会は、省エネ効果の生まれやすいインフラを提供してくれ、再生可能エネルギーも導入しやすい基盤となります。


ぼくは、経済においても、グルーバル化するほど分散化された経済と地元の経済が大切になると思っています。それは同時に、エネルギー消費の削減にもつながります。それについては、次の章で詳しく述べます。


(2017年3月29日掲載)

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