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2017年3月28日掲載 − 脱原発・自然エネルギー − エネルギー選択宣言 − 5章 エネルギーを使わない
乗り合いと呼び出しで省エネする

ドイツには、自家用車で遠距離を走る場合、同じ方向にいく同乗者を乗せて走るための仲介サービスがあります。事前に会員登録しておいて、何月何日にA市からB市に車で走る予定なので、同乗者求むと申し込むシステムです。同乗者が仲介されると、待ち合わせ場所を指定してピックアップします。ガソリン代など実費を、同乗車と分配して負担します。


そうすれば、鉄道や飛行機で移動するよりも格段に安く長距離を移動することができます。ガソリンも、同乗者と分配して節約したことになります。特に学生など若い世代に、重宝されています。会員費や仲介料を請求せずに、インターネットで仲介サービスを行なうサイトも出てきました。


このような自家用車の乗り合いが長距離だけではなく、近距離の通勤や通学にも使われるようになっています。ドイツ西部ノルトライン・ヴェストファーレン州の自治体が、試験的に通勤時の乗り合いを仲介するサイトを立ち上げました。これは乗り合いによって、通勤、通学時の大都市に向かう交通渋滞と大都市内での渋滞と駐車場の混雑を緩和します。同時に、省エネも目的とした試みです。


ベルリンなど三つの大都市では、電気自動車による相乗りタクシー・サービス「クレバーシャトル(CleverShuttle)」が試験的に行なわれています。これは、タクシーが呼び出されたら、行き先が同じ乗客をインターネットで集客して、相乗りをオーガナイズするものです。


人口の少ない過疎地にいくと、呼び出しバスというのがあります。呼び出しバスとは、時刻表に路線バスとして載っているが、指定された期限までに電話で乗車の申込みがない限り、バスを出さないというシステムです。


過疎地域で、特に乗客の少ない週末にこのシステムが利用されています。たとえ乗車申込みが一人で、それも一区間しか乗らなくても、バスは時刻表にしたがって走ります。でも乗車申込みが一つもなければ、バスを走らせません。バスを空で走らせ、燃料を無駄に消費するのを防ぎます。


ドイツ鉄道には、州内チケットや週末チケットという乗り合いチケットがあります。近距離列車だけを利用する条件で、固定料金で最高5人まで1日乗り放題だったりします。チケットによっては、2人目からの料金が1人分の2割から1割の格安料金で最高5人まで乗れます。これも、1日乗り放題です。


たとえばバイエルン州の州内チケットは、最初の1人が23ユーロ(約3000円)。2人目から5人目までは一人5ユーロ(約650円)となります。


これらは、家族や友人、知人と一緒に乗ることを想定したチケットです。ドイツ鉄道は乗り合いチケットのため、一緒に同乗する乗客を探すためのアプリも提供しています。アプリは、若者をターゲットにしています。


人の移動において省エネする手段として、ドイツでは中近距離鉄道の質を上げて中近距離の移動を自動車から鉄道に移行させることがとても大切だと見なされています。乗り合いチケットも、そのための一つの試みです。これは、単にドイツ鉄道の営業戦略にすぎないかもしれません。でも乗り合いチケットによって、公共交通を利用する乗客が増えれば、省エネ効果も生まれます。


(2017年3月28日掲載)

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