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2017年3月29日掲載 − 脱原発・自然エネルギー − エネルギー選択宣言
6.  何を買うかで、エネルギーの利用を選択している
グローバル化でエネルギー消費が増える

現在、凄まじい勢いでグローバル化が進んでいます。野菜やくだものなどの食料品は、世界中から輸入されてきます。家電製品や自動車は、部品がばらばらに各国で製造され、実際にどの国で製造されたのか定義するのが難しくなってきました。単に、最終組み立て地が製造地として表示されているにすぎません。部品の一つ一つは、どこで生産されたのかわかりません。


製品が、世界中から船や飛行機で運ばれてきます。


ぼくたち人間も、世界中どこへでも飛行機で移動できます。便数も路線数も、増えるばかり。格安航空会社が登場して、とても安く飛べるようになりました。物品の輸送と人の移動の増加とともに、船や飛行機の使う化石燃料の消費量が増え、二酸化炭素の排出量が増えています。


ただ今のところ、国境を超えて輸送する船や飛行機を環境上規制する法的手段がありません。船や飛行機の排出する二酸化炭素を規制するため、ある国が単独で炭素税などを課したとしましょう。その国は、国際競争に負けてしまいかねません。そのため、各国は規制を躊躇します。全世界で統一された規制が必要です。


しかし現在、法規は国内規制を原則としており、世界全体を規制する法規がありません。各国には独自の利害関係があるので、世界全体で統一法規をつくるのがとても難しくなっています。


2015年11月末から約2週間、パリで気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)が開催されました。京都議定書に続く2020年以降の温暖化に対する国際的取り組みの枠組みについて審議され、「パリ協定」が決議されました。


パリ協定は、世界の平均気温が18世紀後半からの産業革命以前と比較して2度以上上昇しないようにすることを目的としています。各国が温室効果ガスの排出を削減する目標値を設定し、それを国際社会に提示することが義務付けられます。各国は必要な国内施策を講じながら、その目標を5年毎に見直します。


日本は、2030年度までに2013年比で温室効果ガスを26%削減することを公約ししました。それは原発の維持を前提としており、温暖化対策で原発に依存する世界でも数少ない国の一つです。翌2016年の環境サミット(COP22)では、各国の具体的な施策は、「肩すかし」といっても過言ではなかったと思います。その後に誕生した米国のトランプ政権は、パリ協定を無視。環境政策を転換して化石燃料を促進します。


パリ協定の合意内容は、地球の温暖化に対抗する措置として歴史的な合意だといわれます。法的な拘束力も持っています。ただ、各国の施策次第ですが、船や飛行機など国境を超えて移動する輸送手段は、各国の規制対象とはならないと見られます。


船と飛行機の将来に向け、化石燃料を使わない技術開発も行なわれています。船では、カイトサーフィンのように凧で船を引っ張らせて走行させる技術。飛行機では、生物資源で製造されたバイオ燃料を使用する、あるいは飛行機に太陽電池をつけて電気で航行させるものなど。しかし、実用化にはまだまだ時間がかかります。


こうした現状において、ぼくたち消費者は暮らしの中においてグローバル化によるエネルギー消費の増加にどう対抗できるのでしょうか。


たとえパリ協定にしたがって各国が国内の目標を設定したところで、温室効果ガスを削減することで経済が収縮し、失業者が増えるようでは市民がついてきません。環境政策を講じながらも、新たに雇用を創出する具体的な政策が望まれます。


(2017年3月29日掲載)

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