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2017年3月29日掲載 − 脱原発・自然エネルギー − エネルギー選択宣言 − 6章 何を買うかで、エネルギーの利用を選択している
どこで生産されたのか

すでに述べたように、グルーバル化で世界中のものが手に入るようになりました。家電や衣料品ばかりでなく、野菜やくだものなどの食料品も含めて日常生活で買い求めるものは、世界中からきています。


商品には多くの場合、どこで生産されたものか表示されています。生産地を知ることで、商品が手元に届くまでの輸送距離を比較できます。南米産かアジア産か。生産地が自分のいる場所から遠ければ遠いほど、輸送に使われたエネルギーが多いはずです。先日ベルリンで食べたシシャモは、ヨーロッパで獲れたものを一旦日本に輸出して、ドイツに輸入されたものでした。


国内で生産された商品についても、同じことがいえます。トマトが地元で生産されたものなのか、それとも数百キロメートル離れた生産地からきたものなのか。その時、どちらを選ぶのか。それは、消費者の判断に委ねられます。


消費者として商品を選択することは、輸送によるエネルギー消費の問題ばかりでなく、その商品の生産地と消費地にどういう影響を与えるかを選択することにもなります。


たとえばドイツでは現在、バラやチューリップなどの切り花のほとんどがアフリカ産となっています。西側資本によって、アフリカに花を栽培するプランタージュができました。そのプランタージュでは水が必要なので、用水路が建設されます。その結果、元々水の少ないアフリカでは、その他の地域で水不足が深刻な問題になっています。


アフリカで生産された格安の切り花がドイツに輸入されてくるので、賃金の高いドイツでは花屋さんがやっていけません。花の原価が安すぎて、利益が出ないからです。今、ドイツの花屋さんのほとんどは賃金の安いベトナム人の経営に代わってしまいました。ドイツ人の花屋さんは、パーティでの花の装飾など何か付加価値を付けて商売をするしかありません。


また、ドイツで売れ残った古い肉が再冷凍されて、破格の安い値段でアフリカに輸出されています。それによって、アフリカで生産された肉は売れなくなり、アフリカの農業が崩壊しています。それが、アフリカで経済難民が増える一つの原因ともなっています。ドイツは、戦争などで避難してくる政治難民は受け入れます。でも、経済難民は受け入れません。


その一方で、ドイツ国内では食肉の製造や加工に東欧の労働者を雇い、過酷な労働条件と生活環境の下で格安の賃金でほとんど奴隷に近い労働をさせています。東欧諸国はEU加盟国で、東欧の労働者がドイツに自由に入ってくることができるからです。


これらの問題は、製品をできるだけ安く生産できるように安い労働力を求める西側資本だけの問題なのでしょうか。安いものを買うことの意味と、その結末について考えないで買っているぼくたち消費者には、責任はないのでしょうか。ぼくたちには、地元で栽培され、輸送に多量のエネルギーを使っていない花や食料品を買うこともできるはずです。


生産地を移転させることは、輸送に使うエネルギーを増やすだけではありません。生産に必要なエネルギーの消費地も移転させています。中国のスモッグは、中国だけの国内問題ではありません。世界の生産拠点を移転して中国を世界の生産工場にしてしまった世界全体の問題です。ぼくたち消費者はグローバル化するほど、こうした問題にも目を向ける必要があります。


(2017年3月29日掲載)

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