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2017年3月30日掲載 − 脱原発・自然エネルギー − エネルギー選択宣言 − 6章 何を買うかで、エネルギーの利用を選択している
持続可能な製品を求める

すでにこの章で、安いことには必ずその理由があると書きました。グローバル化とともに、労働力の安い地域に生産拠点が移転しています。それは、単に労働力が安いからではありません。労働者は厳しい労働条件で、過酷な労働を強いられています。環境規制はほとんどないに等しく、環境が汚染されても野放し状態です。消費するエネルギーも安い。だから、安く生産できるのです。


たとえば、衣料品。衣料品を製造しているバングラデシュの工場が火事で焼け、たくさんの女性労働者が亡くなったことがあります。世界のブランドメーカーや衣料販売チェーンが製造コストを下げるために、安い賃金で長時間働かせ、先進国では信じられない環境で製品が生産されてきた結果でした。でも、先進国のブランドメーカーや衣料販売チェーンは直接の雇用主ではないことから、その火災事故に対して責任を追いません。


わざと色を落とした色落ちジーンズが販売されています。バングラデシュなどでは、労働者が毒性の強い化学薬品を使って手で色を落としています。機械は、コストがかかるので使えません。発展途上国の労働者は、自らの健康を犠牲にしてまで働いています。それでも先進国の賃金と比較すると、ごくわずかな賃金しかもらえません。


今発展途上国において安く生産できても、いずれ安く生産することができなくなります。賃金レベルが上がり、環境汚染に対する規制も厳しくなるからです。新たに安く生産できる生産地を探さなければなりません。バングラデシュなど東南アジアの発展途上国で安く生産できなくなったら、今度はどこで生産するのでしょうか。治安が不安定なアフリカが、次の候補になると思います。たとえアフリカに生産地を移転しても、いずれ賃金レベルが上がります。次に、どこにいくのでしょうか。地球上には、もう安く生産できるところがありません。世界経済が飽和し、次第に生産コストに差がなくなります。


安く生産できるところは、もうありません。それで、経済は成り立つのでしょうか。ぼくには、とても疑問です。


今の経済は格差があるから成り立っているのに、この問題に目を背けています。安く生産することだけを優先させ、将来の問題が先送りにされています。


オーガニック衣料品カタログ
オーガニック衣料品カタログ

オーガニックコットンやオーガニックウールなど、自然の素材だけで生産されているオーガニック衣料品があります。化学的プロセスで製造される化繊と違って、自然と人にやさしく生産された衣料品です。色も天然の植物性染料が使われます。これらの商品には、よくフェアトレードのマークがついています。マークは、過酷な環境や労働条件で生産されたものではなく、環境汚染や資源の浪費を引き起こさない、持続可能な製品であることを証明します。


オーガニック衣料品は割高ですが、ぼくが使ってきた経験からすると、かなり長持ちします。買った時は高いと思っても、長持ちするので、長い目で見ると最終的に高いとは思いません。


日本の衣料品を見ると、化繊の衣料品が多いのにびっくりします。化繊は石油製品です。石油はいずれ枯渇します。ドイツではオーガニック衣料品でなくても、コットンやウールなど自然素材の衣料品を多く目にします。生地が厚くて、いかにも丈夫な感じがします。


すでに述べたように、ドイツでは19世紀中頃に生き方を改革する運動が起こりました。有機農業がはじまり、有機食品が出回りはじめます。衣料品についても、自然の素材を使った衣料品を使う運動が同じ頃に起こりました。その伝統が、今も残っているのだと思います。もちろんドイツにおいても、格安店にいけば、化繊で生地の薄いものがたくさん店頭に並んでいます。


ぼくたち消費者には、衣料品においても自分で考えて商品を選択する余地が与えられています。ぼくたちは、どの商品を選ぶのでしょうか。


ドイツではオーガニック衣料品を普及させるため、グリーン電力小売事業者や有機食品のスーパーマーケットが互いに協力しています。自然素材という生物資源を使えば、衣料品も再生可能になり、持続性が維持されます。グリーン電力や有機食品の哲学と共通するものがあります。


(2017年3月30日掲載)

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