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2017年4月06日掲載 − 脱原発・自然エネルギー − エネルギー選択宣言 − 8章 交通の未来
自動車を売る社会から移動が楽な社会へ

これまで述べてきたのは、現代社会から見た将来の自動車像にすぎません。10年、20年後には、今とは全く違った車社会へのビジョンが登場しているかもしれません。無人運転車が実用化され、宅急便がドローン(無人機)に代わっている可能性があります。人の移動と物の輸送が将来、大きく変化することが予想されます。


現在の自動車社会は、人が楽に移動することが本当に考えられているのでしょうか。ぼくは、そうは思いません。現代社会は、自動車があれば楽に移動できます。自動車がないと、電車やバスなどの公共交通でたくさんの人を一緒に乗せて移動させます。駅や停留所は、人の利用が多い所に設置されます。だから、多数派が有利。駅や停留所から遠い少数派は、不便さをがまんするしかありません。人の移動と便利さは、経済性という数の論理で決まっています。不便を感じたら、自動車を買うしかありません。それは、移動が楽になる自動車社会ではなく、自動車の売買に依存した自動車社会です。


ドイツの地方にいくと、路線バスは定期的には動きません。週末は乗客のニーズに合わせ、小型のバスしか運行されません。乗客は定期運行表を見て、乗りたいバスを事前に電話予約しなければなりません。バスは定期便でも、電話予約がないと運行しません。


これは、小型少人数輸送を基盤にしているから可能になるのだと思います。大型大人数輸送を基盤とした現行の路線システムでは、このようなサービスはできません。この小型少人数輸送を大都市で利用すれば、人のニーズに合わせた柔軟で、多様な移動サービスが可能になるのではないかと思います。たとえば近い将来、運転手のいない無運転小型バスで、それが可能になります。


乗客のニーズに合わせて、デジタル化された七、八人乗りの小型バスを運行します。路線はありません。小型バスは、乗客とスマートフォンやタブレットパソコンでコミュニケーションしながら乗客のニーズを事前に把握して最適なコースを選択します。途中の呼び出しも可能で、乗車地も降車地も乗客が決めます。小型バスは自動的に、乗客のニーズに応えるのに最も適したコースを選びます。デジタル小型バスが都市の隅々を走る交通システム。これが、自家用車がなくても人が楽に移動できる交通システムです。高齢化で、こうした交通システムのニーズが増えると思います。


3Dプリンターが普及すれば、この種の小型バスは3Dプリンターで簡単に製造できるようになります。小型バスもニーズに合わせて、一品一様の多様なバスを製造できるようになります。自動車の大量生産は、もう必要なくなるかもしれません。


(2017年4月06日掲載)

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