2017年3月24日掲載 − HOME − エネルギー選択宣言一覧 − 4章記事
大型発電所は熱を供給するのに適さない

大型の火力発電所は、住民が密集する地域から離れたところに立地しています。電力は供給できても、廃熱を暖房や給湯のために供給するには適しません。熱を配管で輸送する距離が長くて、その間に温度が下がり、効率がよくありません。


原子力発電にも、同じことがいえます。原子力発電所は、人口密集地域からかなり離れたところに建設されています。東欧の原子力発電所を取材して回った時に、ルーマニアやハンガリーで原子力発電所から出る廃熱を暖房と給湯用に使っているところがありました。しかしそれは、ごく少数の例外だといわなければなりません。原子力発電所からの廃熱を使うことに対して、住民のアクセプタンスを得ることができません。原子力発電所の熱は、捨てるしかありません。それが、廃熱を排出する海や川の水の温度を上げて周辺地域の環境に影響を与える原因にもなっています。


(2017年3月24日掲載)

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