建物に省エネ工事を施すと、建物間の省エネ度に差が出ます。省エネ化された建物なのか、そうでないのか。省エネ化されていても、どの程度省エネされているのか。住宅を買う場合や借りる場合、その省エネ度が知りたくなります。
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エネルギーパスの例。上部にある緑/黄/赤の横棒が省エネ度を示す。赤から緑にかけて省エネ度が高くなる。矢印が、当該建物の年間の平米当たりのエネルギー消費を示す |
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建物の省エネ度を示すのが、「エネルギー証明書」や「エネルギーパス」といわれるものです。ドイツではEU規定にしたがって、2007年に関連の政令が施行しました。家電製品と同じように、建物にもエネルギー消費によって省エネ度の表示を義務付けます。消費者が建物を買う、借りる時に、建物の省エネ度から物件を選択できる可能性が生まれました。自動車でいえば、自動車を買う時に燃費から車種を選択できるようにすることです。
エネルギーパスの書式は、ドイツエネルギー機関という政府機関がそのひな形を作成しています。
エネルギーパスは、専門の鑑定人資格を持っている人が発行します。建物に関係する学科を卒業した技師や、相応の資格を持つ職人などです。エネルギーパスの発行を続けていくには、建物の省エネ問題に関して定期的に社会人教育も受けなければなりません。
日本でも、エネルギーパスの導入を義務化するべきだと思います。
(2017年3月25日掲載)
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