リチウムイオン電池は悪い?
電気自動車の蓄電池として使われる電池の主流は今、リチウムイオン電池になっています。
そのリチウムイオン電池の製造では、リチウムを含む鉱石の採掘で労働者が低賃金、過酷な労働条件で働かされており、労働者の健康に影響が出ていることも心配されます。
リチウムイオン電池の製造にたくさんの電気を使うことも、問題だと指摘されます。
リチウムは引火性が強く、たとえば水と反応して、火災を起こしたり、爆発します。絶対に触らないように注意しなければなりません。
リチウムイオン電池では、固体の金属リチウムそのものを使っているのではなく、リチウムイオンが正極と負極を行き来しているにすぎません。
でも実際には、リチウムイオン電池が発火する事件が、すでに何件も起こっています。
だから、リチウムは使ってはならないのでしょうか。
リチウムイオン電池を世界ではじめて商品化したのは、日本のソニーでした。1990年代はじめのことでした。しかしそのソニーは、リチウムイオン電池から撤退。現在世界では、韓国と中国の製造メーカが主流になっています。
再生可能エネルギーで発電された電気を蓄電するには、リチウムイオン電池は繰り返し充電して使える二次電池として、すでに欠かせない存在になっています。
でも、リチウムイオン電池が電気自動車にも搭載されているとなると、電気自動車は環境にやさしくない、末端の労働者を搾取している、電気を多量に使っていると批判されます。
リチウムイオン電池は、電気自動車だけに使われているのでしょうか。
そうではありまでん。
スマートフォン、タブレットパソコン、ノートブックなど電池を搭載する電子製品のほとんどが、リチウムイオン電池を使っています。今ぼくたちの生活において、リチウムイオン電池は欠かせない存在になっているのです。
最新技術は、リチウムなくして機能しないといっても過言ではありません。
その他、たとえば陶器やガラス、躁うつ病の医薬品にもリチウムが使われています。
それなのに、なぜリチウムイオン電池が電気自動車に使われていると批判されるのでしょうか。
電気自動車が増えると、リチウムは有限で、まもなく供給不足になるとも批判されます。
でもぼくが聞いたドイツの国立研究所の科学者は、電気自動車などにいくらリチウムイオン電池を使おうが、リチウム不足になる心配はないと話してくれました。
このブログにおいて、レアメタルやレアアースが使われているからと再生可能エネルギー技術が批判されることのおかしさについて書いたことがあいます。
それと同じことが、電気自動車とリチウムイオン電池にもいえると思います。
リチウムイオン電池が完璧ではないのは確かす。でもそうだからといって、電気自動車だけを問題視するのはおかしくありませんか。電気自動車で使うのを批判するなら、スマートフォンなど電子製品で使われることも問題にされなければなりません。
だからといって、リチウムイオン電池の入っているスマートフォンを使うのを止めますか。
批判は、中立かつ正当に行わないといけません。
(2019年6月02日、まさお)
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