ドイツの保険会社の業界団体であるドイツ保険経済協会が21日に発表したところによると、昨年の自動車盗難状況を保有台数で見ると、旧東独製の小型車トラバントが1000台当たり1.4台で、盗難率で第二位になるという。
第一位は1000台当たり1.6台で、高級スポーツカーのポルシェ。トラバントは、アウディ、BMW、メルセデスなどドイツの高級車よりも盗難率が高い。
実際に2007年に盗まれたトラバントは4台だが、現在まだ走っているトラバントが2800台と少ないことから、盗難率が高くなる。
全体の傾向として、予備品市場での需要の多さから、製造後10年以上の古い車のほうが盗難率が高くなっており、すでに20年近く生産されていないトラバントが盗まれやすいのは、当然といえば当然。
トラバントは、旧東独ツヴィカウで生産されていた2サイクル車(80年代後半にはVWの4気筒エンジン搭載車も登場)で、ガソリンと油の混合油で走ったことから、排気ガスが臭く、「臭い奴」とも呼ばれていた。
ただ、小型で愛嬌のあるスタイルをしていたことから、「トラビィ」の愛称で親しまれていた。車体はセラミック製で、ぶつかると割れてしまうという問題がある。
(2008年10月22日) |