1989年5月1日のメーデーに、チェコスロバキアの首都プラハにいって撮った時の写真です。

1989年に入ると、東欧諸国で民主化の動きが活発になりました。1989年5月1日のメーデーに再び、東ベルリンにいって写真を撮ることも考えたのですが、東ベルリンにいくより、プラハにいくほうが何か起こるのではないかと思いました。それで、ビザを取得しておいて、日帰りでプラハにいくことにしました。

案の定プラハでは、民主化を求める市民と警官隊が衝突します。ぼくは、それを写真に収めていました。

その時ぼくは、兵士に何をしているのかと、逮捕されてしまいました。観光客で写真を撮っているだけだといいましたが、フィルムを引き渡せといわれます。ぼくは拒否しました。

結局、地下鉄駅構内に設置された留置場に入れられます。パスポートも没収されました。

留置場内では、民主化を求めて拘束された市民と一緒になりました。しめたと思い、市民と話してみようとしましたが、みんな英語もドイツ語もできず、うまく意思疎通ができません。

プラハの市民と一緒に、留置場を出されます。どうなるのかと思ったら、ぼくはパスポートを返され、解放されました。しかし拘束されたプラハ市民は、バスに乗せられ、移送されてしまいます。