再生可能エネルギーでは発電量に変動が大きいので、変動に対応しやすいガス火力発電で電力不足をカバーします。ガス火力発電所をリザーブ発電所としてキープしておくということです。
ただ、リザーブ発電所は常に稼働しているわけではないので、その維持コストがたいへんです。そのコストをカバーするため、ドイツでは、発電能力kW毎に資金を出して発電能力を確保する容量市場の導入も検討されました。
ただ容量市場は、再生可能エネルギーへの転換が終わるまでの過渡的なものです。ドイツでは現在、容量市場は必要としていないとして、導入が見送られました。容量市場では、古い老朽化した原子力発電所や火力発電所も対象とすることになり、それは環境上問題だともされました。
ドイツでは、必要となるリザーブ発電能力を入札によって戦略的に規定し(戦略的予備力の確保)、そのコストを共同負担していくことになっています。
将来的には、再生可能エネルギーで発電された電気を蓄電することでこの問題に対処します。そのための技術開発も積極的に行われ、一部ですでに大型の蓄電池が稼働しています(「周波数を監視する蓄電システム」を参照)。
貯蔵技術では、余剰電力で水をくみ上げておき、電気が必要な時に放水して発電する揚水発電(「揚水発電は、原子力発電の子どものようなもの」を参照)、蓄電池(「電気自動車を住宅用の蓄電に使う」を参照)、電気を水素を製造して貯蔵しておくPower to Gas(「電気をガスにする」を参照)などが、注目されています。
あるいは、デジタル化によって需要を発電量に応じてコントロールすることも考えられています(「アクティブな地産地消で余剰電力を消費」を参照)。
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(2018年8月02日)
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