2018年11月28日掲載 − 再エネいろは
再エネは安いといいながら、電気料金が高くなるのはなぜ?
再生可能エネルギーQ&A

前回説明したように、再生可能エネルギーで発電された電気は卸市場で最も安く取引されています。それは、再生可能エネルギーで発電する場合、燃料費など限界費用といわれるものがほとんど発生しないからです。卸市場では、その限界費用をベースに電気の取引価格が決まります。


卸市場で取引された電気が消費者に供給、販売される場合、卸市場で取引された価格にさらに税金などが加算されます。


再生可能エネルギーで発電された電気は多くの国で、販売価格を実際に取引される流通価格よりも高くして販売することが法的に規定されています。これを、固定価格買取制度(FIT)といいます。ですから、卸市場での取引価格がA円でも、FIT制度によって規定された価格がB円だと、その差額である(B-A)円を最終的に消費者が負担しなければなりません。


それは、FIT制度に応じて発電事業者と販売事業者の間で直接電気が売買される場合も同じです。


ただ、その差額を再生可能エネルギーで発電された電気だけに加算すると、再エネ電気だけがやたら高くなります。そのため通常は、FIT制度によって発生する差額を電気全体に分配、加算して、消費者全体で負担します。


でもどうして、再生可能エネルギーで発電された電気にだけ、こういう制度が設けられたのでしょうか。


FIT制度は、電気販売事業者が発電事業者から買い取る電気の価格を固定します。そして、卸取引価格との差額を流通過程において次に電気を購入する者が負担していき、最終的に消費者が負担することになります。


それによって、再生可能エネルギーによる発電施設に対する投資を促進します。電気を買い取ってもらう価格を割高にして固定することで、投資意欲を刺激し、投資しても絶対に損をしない環境をつくるのです。そうして、再生可能エネルギーを促進し、普及させます。


電気を買い取る価格は通常(たとえばドイツの場合)、再生可能エネルギーによる発電施設が発電を開始してから20年固定されます。それによって、再生可能エネルギーに投資するリスクを長期に渡ってなくします。


この方式が再生可能エネルギーを普及させる施策として最も効果があることは、ドイツなどたくさんの国で立証されてきました。


このFIT制度が再生可能エネルギーを高くし、さらに電気料金を引き上げている一番の理由です。


(2018年11月28日)

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