2019年5月08日掲載 − 再エネいろは
自動車を締め出して大丈夫か?
再生可能エネルギーQ&A

自動車を都市から締め出すというのは、都市を走るのを必要最低限の自動車に制限するということです。自動車を都市から完全に締め出すということではありません。都市機能に影響が出ては、自動車を制限する意味がありません。


都市交通で優先するのは、公共交通と営業車です。つまり、一般市民の移動を自動車ではなく、公共交通と乗り合い小型バスなどシェア型に集中させます。


それには、通勤も含まれます。自家用車で通勤する市民を、公共交通に移行するように仕向けます。


ただ実際には、都市内の移動は、自動車や公共交通を利用するよりは、自分の足で歩いたり、自転車を使ったほうが早く目的地に着けます。


たとえば、ベルリンの交通公社(BVG)のオンライン・ルートプラナーでは、最後に自転車で移動した場合の所用時間が表示されます。その時間を見ると、電車や地下鉄、バス、トラムの公共交通で移動するよりは、自分で自転車で走ったほうが早いことがわかります。


ベルリンでは、自転車の利用を促進するとともに、自転車交通の安全を確保するため、自転車専用道路の拡充が進められています。そのことについては、本サイトの記事「自転車は重要な足」で報告したことがあります。


ただ、自転車の利用と公共交通を含めた交通手段のシェア化だけでは、十分だとはいえません。


交通政策に関して、頭の切り換えも必要になります。


その一つが、前回述べたように、自動車交通を減らすことによって自動車交通のインフラ整備のために支出してきたこれまでの公的資金を公共交通の整備、拡充に振り向けることです。


公共交通がまず第一に、最も快適で、便利でなければなりません。


さらに重要なのは、交通が自動車と経済活動だけのものであってはならないということです。市民が民主的に都市空間を移動、利用できるように交通手段を整備します。市民のための、市民にやさしい交通政策に転換していきます。


それによって、市民が再生可能エネルギーで移動するのか、これまで通りガソリンやディーゼルなど化石燃料を使って移動するのか、あるいは自分の足で移動するのか、市民自身で選択できる可能性も生まれてきます。


(2019年5月08日)

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