2019年5月29日掲載 − 再エネいろは
なぜ交通にこだわるのか?
再生可能エネルギーQ&A

これまで、何回にも渡って交通のことについて書いてきました。移動方法を転換していく交通改革が必要だといってもいいと思います。


それでは、なぜ交通改革が必要なのでしょうか。


エネルギーを再生可能エネルギーに転換することをエネルギー転換といいます。日本では、これは再生可能エネルギーで発電することだと思われがちです。でもここでエネルギーとは、電気のことだけではありません。


再エネいろはでは、何回も指摘してきましたが、電気と熱、自動車などの動力燃料をすべて再生可能エネルギー化するのが、エネルギー転換です。


そして、エネルギー転換においてなかなか手をつけにくく、再生可能エネルギー化が進まないのが、熱と動力燃料、その中でも交通を再生可能エネルギー化することです。


スウェーデンやノルウエェーを中心にヨーロッパでは、ガソリン車やディーゼル車など化石燃料を燃料とする自動車の販売を2025年か2030年までと宣言する国が増えています。


ただ自動車産業国であるドイツでは、自動車交通の再生可能エネルギー化はまだ数%にすぎず、後手に回っています。電気自動車や燃料電池車の開発でも、他国に比べると出遅れています。


自動車産業に対する経済依存度の高いドイツでは、電気自動車や燃料電池車へ切り替えることによって、自動車産業においてたくさんの労働者が失業する心配があります。


そのため、交通改革は単に交通手段を換えればいいというだけの問題ではありません。産業の構造改革が必要になります。自動車産業中心の経済となっているドイツでは、それにより多くの時間がかかることが予想されます。


ドイツの既存自動車メーカは、既存のガソリン車やディーゼル車の技術をできるだけ長く保持して、既存技術でできるだけ多くの利益を上げたいという戦略です。それが、電気自動車や燃料電池の開発で出遅れた要因でもあります。


今市場に出ている電気自動車はまだまだ割高で、電気自動車は一般消費者にとって魅力あるものとなっていません。電気自動車の普及を促進するには、電気自動車を税制上優遇したり、購買時に助成するなど購買を進めるインセンティブが必要です。でも、それも積極的に進められていません。


消費者においても、電気自動車とはどういうものなのかの情報不足から、電気自動車を運転することに対する躊躇も見られます。


こうして見ると、交通改革には技術的な問題ばかりでなく、経済、社会、心理的な問題など、いろいろな要素が絡んいることがわかります。それだけに、交通改革には時間がかかります。


交通改革には、できるだけ早く取り組まなければなりません。


(2019年5月29日)

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