2019年12月04日掲載 − 再エネいろは
固定価格が下がっているのに、電気料金が高くなるのはなぜか?
再生可能エネルギーQ&A

前回、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)において、電気を買い取る固定価格が下がっていると述べました。しかし、実際の電気料金は上がっていくばかりです。


それは、なぜでしょうか?


そのからくりは、FIT制度にあります。


すでに書いたように、FIT制度では、再エネで発電する発電施設に対して一旦規定された電気の買取価格は、20年間固定されます。ですから、その負担は20年間続きます。


それに加えて、新たに再エネで発電する発電施設が毎年増えていきます。その発電施設には、毎年安い買取価格が規定されます。しかし、再エネで発電された電気を買い取る対象となる発電施設は増えるばかりです。


もちろん、再エネを増やすための制度なのでそれでいいのです。しかしその結果、再エネで発電される発電施設が増えれば増えるほど、その負担は全体として増えます。


また、再エネで発電される電気が増えれば増えるほど、電気の卸取引価格が下がることも指摘してきました。これは、再エネで発電される電気には、燃料費などの限界費用がほとんどないからです。


電気の卸価格は、その限界費用と施設の建設費、それに需要の増減によって決まります。ですから、限界費用のない電気の量が増えれば増えれるほど、電気の卸価格は下がります。


FIT制度で規定される電気の買取価格は、通常取引される市場価格よりも高く設定されています。電気を買い取る固定価格が毎年下がってはいるとはいえ、一旦規定された電気の買取価格が20年固定されますので、再エネで発電された電気の買取価格と市場での取引価格の差額は、大きくなるばかりです。


この問題については、すでに何回も書いてきたと思います。


そして、その買取価格と取引価格の差額は、電気料金で回収されます。つまり、その差額負担を電気料金に上乗せするということです。


その結果、電気料金は高くなります。

(2019年12月04日)

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