2020年2月05日掲載 − 再エネいろは
公営施設はどうする?
再生可能エネルギーQ&A

役所や学校、病院など公営施設には、大きな屋根があります。浄水施設や空港などの公営施設にも、大きな敷地があります。


そのスペースをそのまま放置しておくのは、もったいないと思いませんか。ソーラーパネルなど再生可能エネルギーの発電施設を設置して発電したいところです。


でも税金を使って発電施設を設置して、固定価格買取制度(FIT制度)によって発電した電気を割高で買い取ってもらうのは、自治体など公営機関としては適切ではありません。


納税者からの資金によって発電施設を設置して、FIT制度によって間接的な補助を受けることになるからです。


それに対し、浄水施設や空港などは独立した公営企業として運用されている場合が多いと思います。その場合は企業となるので、公営サービスによって得た資金を使って発電し、FIT制度の恩恵を受けるのはそれほど問題にはならないと思います。


実際、ベルリンの公営浄水施設ではソーラーパネルを設置し、FIT制度によって売電しています。


でも役所や学校の屋根や自治体所有の土地に、自治体が独自にソーラーパネルや風力発電施設を設置するのは、公営機関としては問題です。


発電した電気を公営施設だけで使うとしても、その施設は税金で設置されます。それなら、同じ税金を公営機関としてもっと有効に使えないのかなどの批判が出ます。


ドイツでも、自治体などの公営機関は公営施設の屋根には原則として、ソーラーパネルなどを設置しません。そのための補助対象からも除外されています。


ただ公営施設にソーラーパネルなどを設置しないままにしているのは、スペースを有効に使っているとはいえません。


この問題を解決するため、ドイツでは公営施設の屋根やその他公営所有の土地を賃貸することができるようになっています。そして、自治体は賃貸料を得ます。それによって自治体は副収入を得、自治体財政が改善されます。


問題は、発電施設を設置するための場所を貸す相手です。役所や学校では、営利企業では問題になると思います。


その場合貸す相手として、たとえば非営利を原則とする市民グループを対象とします。そうすれば、公営施設であっても問題ありません。


市民グループは協同組合などとして、自分たちで集めた資金で役所や学校などの屋根にソーラーパネルを設置します。FIT制度に基づいて発電した電気を売電します。


学校の屋根にソーラーパネルを設置すれば、教育効果も期待できます。


ドイツの自治体の中には、地元の住民グループを積極的に誘致、支援して、公営施設の屋根にソーラーパネルを設置しているところもあります。


このようにしているドイツの再エネ自治体を取材したことがあります。どこも道路や公営施設がきれいになっているのにびっくりしました。

(2020年2月05日)

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