2020年2月26日掲載 − HOME − 再エネいろは一覧 − 記事
SolarPanels4Future
再生可能エネルギーQ&A

前回、日本の学校や役所など自治体公営施設の屋根にソーラーパネルが設置されていない問題について述べました。自治体側が地元電力会社に忖度しているからだとも書きました。


それに対してドイツの自治体では、学校の屋根にソーラーパネルを設置するプロジェクトを積極的に進めています。


たとえばドイツ北西部のザーベック町では、学校やスポーツ施設の屋根にソーラーパネルが設置されています。これは、町がお金を出して設置したわけではありません。


ドイツでは、自治体が自己資金で公営施設の屋根にソーラーパネルを設置することが、法的に禁止されています。


その代わりに、自治体が市民有志などがまとまって学校などにソーラーパネルを設置するプロジェクトをサポートします。自治体はプロジェクトを金銭的にサポートすることはできません。この種のプロジェクトが実現できるように、積極的に情報を提供したり、アドバイスします。


ドイツでは学校の屋根にソーラーパネルをつけることで、教育効果がもたらされることも期待されています。


毎年夏、福島県の高校生がドイツの再生可能エネルギーの状況を勉強するためにドイツにきています(福島県高校生交流プロジェクト)。


2019年夏にドイツにきた高校生の一人が、その後生徒会長になりました。その直後に、学校側と学校の屋根にソーラーパネルを設置するよう交渉をはじめます。


ぼくはすぐに、これだと思いました。


学校の生徒自らが、自分の学校の屋根にソーラーパネルがあったほうがいいと思う。その生徒たちの意欲を父兄会や大人有志が金銭的にサポートします。あるいは、大人が生徒たちをサポートして、財団などに助成金を申請します。


生徒たちのやることだけに、自治体はそれを妨害したり、意欲を削ぐようなことはできません。


それで、学校でのソーラーパネル・プロジェクトを実現します。こうした活動が、日本でどんどん増えていけばいいと思います。


ぼくは、これを「SolarPanels4Future」と呼びたいと思います。


SolarPanels4Futureが、日本各地の学校でどんどん広がってほしいと思います。

(2020年2月26日)

前の項へ←←      →→次の項へ        →一覧へ
関連記事:
なぜ日本の自治体ではできないの?
なぜ自治体がやるのか?
公営施設はどうする?
配電網とガス配管網を公営化したプファッフェンホーフェン市
地元の生物資源を有効利用するバムベルク郡
住民による地域熱源供給に重点をおくラーテン町
住民参加で再エネ化を進めるザーベック町
10年でエネルギー供給地域に変遷したライン・フンスリュック郡
関連サイト:
福島県高校生交流プロジェクト
再生可能エネルギーに取り組む自治体のサイト(ドイツ語)
この記事をシェア、ブックマークする
このページのトップへ