2020年3月04日掲載 − 再エネいろは
電気自動車ばかりになっても大丈夫?
再生可能エネルギーQ&A

現在、将来の自動車は電気自動車か、燃料電池車となる方向で進んでいます。


そこで問題となるのは、そうなっても電気が十分にあるのかです。


電気自動車はもちろん、燃料電池車も燃料となる水素を製造するのに電気をたくさん必要とします。


日本は、国家戦略として燃料電池車を進めます。燃料の水素を石炭火力発電や原子力発電で発電された電気で大量生産する意向です。国外から水素を大量に輸入することも考えています。


これは、既存の産業構造をできるだけ改革しないで、自動車改革をしようとするものです。水素の需要を満たすために、大型発電所をどんどん増やして大量生産するということでもあります。


ここでは、自動車の台数は気にしません。これまで通りか、さらに自動車の台数を増やして、自動車社会化をさらに進めることが考えられています。


それに対して、ドイツは電気自動車への切り替えを目指します。燃料電池車を諦めたわけではありません。水素は、再生可能エネルギーで発電された電気の余剰電力を使って製造します。パワーツーガスといいます。再エネでは、発電量に変動が大きいからです。


トラックやバスなどの大型車で、燃料電池車が考えられています。もちろん、ビジネスチャンスを求めて、自家用車を燃料電池車という声も大きくなってきました。


それは、日本と同じように、既存の産業構造をできるだけ維持したいという勢力から出ています。


問題は、再エネ化と並行して電気自動車化を進めても電気が十分にあるかです。


これは、これまで通りの自動車社会を前提にした質問といわなければなりません。


ここでは、将来自動車の価値はどうなるかということも考えなければなりません。地方において、自動車が最も重要な移動手段であるのは間違いありません。


でも都会では、自動車が次第に重要な移動手段ではなくなりはじめています。渋滞や駐車場の問題があります。電気自動車と燃料電池車では、これまでのように自動車がステータスシンボルとなるのか、疑問もあります。


都会において、若者の間でカーシェアリングが増えている背景には、車がステータスシンボルではなく、単なる移動手段と考えられはじめているからだと見られます。


となると、自動車の台数が将来、減っていくことも十分考えられます。


自動車が電気自動車ばかりになっても大丈夫かという疑問では、将来自動車は減るのか、増えるのか。あるいは、気候変動の問題も考えて自動車を減らすにはどうすべきなのかについても考えなければなりません。

(2020年3月04日)

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