2020年10月07日掲載 − 再エネいろは
再エネだけで電力需要を満たせるのか?
再生可能エネルギーQ&A

ベルリン@対話工房のサイトでは、自動車が電気自動車に替わっていくこと、さらに製鉄など重工業が水素を使ってグリーン化していくことについて書いてきました。電気自動車化ばかりでなく、水素は電気分解によって製造されるので、たくさんの電気が必要となります。


グリーン化とは、再生可能エネルギーをその電源とするから実現できます。


そこで心配になるのは、それに伴って電気に対する需要が爆発的に増大するのではないかということです。それで、すべての需要を再エネだけで賄うことができるのでしょうか?


再エネで発電した電気が不足するようなら、グリーン化の試みは幻想に終わってしまいます。持続可能な社会を実現するのも難しくなります。


ドイツの環境シンクタンク「アゴラ・エネルギー転換」のグライヘェン所長は、2050年までに植物が吸収できる以上の二酸化炭素を排出しない気候ニュートラルを実現するとすると、ドイツの電力消費は現在よりも約60%多い900TWhになると推定します。電気自動車への切り替えだけでも、電力消費が現在より20%増加するといいます。


その程度の増加で済むのだろうか。そんなはずはない、と思うかもしれません。


たとえば自動車の場合、将来今と同じか、それよりも多い自動車が走っていることはないだろうと見られます。自動車台数はかなり減るだろうと予測されます。自分で自家用車を保有する人が少なくなるからです。電気自動車が普及すると、自動車は単に移動手段となり、これまでのように自動車がステータスシンボルだという時代は終わります(「車はステータスシンボルではなくなる」)。カーシェアリングの普及で、自家用車を持っている必要もなくなります。


電気は今後、スマートグリッドやスマートメータの普及とともにより効率よく消費されるようになります。電気製品も省エネタイプのものがより広く普及します。住宅も断熱効果の高い、低エネルギーハウスとなります。


こうしてあらゆる分野で、省エネが徹底されます。同時に、可能なところにはすべてソーラーパネルを設置します。電力供給システムを自動化するため、技術開発も進めます。


ぼくはこうした取り組みを積み重ねれば、再エネだけで電力需要を満たすのは可能だと思います。そうしない限り、持続可能な社会も実現できません。


可能だろうかと疑問に思うのではなく、そうしたい、そうしなければならないと強い意志を持って取り組むことも必要です。ぼくたち市民も政治に対して、再エネ100%化を強く求めていかなければなりません。


(2020年10月07日)

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関連資料:
ドイツ環境庁の2019年再エネデータ資料(ドイツ語)
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