2020年10月28日掲載 − 再エネいろは
二酸化炭素排出を実質ゼロにするには?
再生可能エネルギーQ&A

日本の菅首相が先日いきなり、日本が2050年までに気候ニュートラルを実現すると発言しました。


気候ニュートラルとは、カーボンニュートラルともいえ、二酸化炭素の排出を樹木などの植物が吸収できる以上には排出しないことをいいます。つまり、二酸化炭素を排出しますが、実質的に増やさないで、排出をゼロにすることをいいます。


これは、ぼくにも意外でした。


日本は、二酸化炭素の排出を1990年比で2020年までに25%削減することを約束してきました。ということは、30年間で25%。この後の30年で、その残り、つまり3倍に相当する二酸化炭素の排出量を削減しなければなりません。


そんなことが、現実的なのでしょうか。日本はその上、現在新しい火力発電所の建設を計画しています。


EUなど世界で、2050年までに気候ニュートラルを実現することを目標にすると発表されています。菅首相は単に、それに歩調を合わせるためだけにそういったのでしょうか。


日本には、それをどう実現するのか。具体的な施策がありません。


ドイツは、二酸化炭素の排出を1990年比で2020年までに40%、2030年までに65%削減し、2050年までに二酸化炭素の排出を実質ゼロにすることを目標にしています。


ドイツの場合、遅くとも2038年までに石炭火力発電を止めます。さらに、2030年までに発電における再生可能エネルギーの割合を65%に引き上げる計画です。現在、発電における再エネの割合は、50%弱になっています。


それでも、実際に実現できるかどうかの保証はありません。かなり努力しないことには、実現できないのではないかと見られています。


ドイツでは、2050年までに二酸化炭素の排出を実質ゼロにする上でとても大切になるのが再エネだとされています。その中でも、太陽光発電への依存度が高まると見られます。


それに対し、日本の再エネの割合は2019年時点で19%。2030年までの目標は、22-24%にすぎません。それに対して、火力発電と原子力発電を維持するどころか、増やすことも計画されています。


その状況で、日本はどう二酸化炭素の排出実質ゼロを実現するつもりなのでしょうか。もっともっと再エネに力をいれないと、実質のないリップサービスにしかなりません。


(2020年10月28日)

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関連資料:
ドイツ環境シンクタンクのアゴラのカーボンニュートラルスタディ(英語短縮版)
アゴラ・エネルギー転換とヴッパータール研究所のスタディ「気候ニュートラル産業」(ドイツ語)
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