2021年3月17日掲載 − 再エネいろは
FIT制度は何のための制度か?
再生可能エネルギーQ&A

ぼくは前回、再生可能エネルギーで発電された電気に対する固定価格買取制度(FIT制度)は、補助制度ではないとしました。


補助制度でないとしたら、どう定義すればいいのでしょうか。


前回いったように、再エネによる新しい発電方法が火力や原子力など従来の発電方法と平等に競争できるようにするのがFIT制度です。長年支援を受けて定着した火力や原子力などの発電方法と新参者の再エネによる発電方法は、同じ条件では競争できません。FIT制度はその不公平さを緩衝して、新しい発電方法を育成します。


ぼくは、FIT制度を経済政策だと見るべきだと思っています。それも、再エネによる新しい発電方法をとても効率よく育て、インフラとしてそのための発電施設まで整備してしまう経済政策です。同時に、再エネに関連する産業も育てます。


FIT制度のもう一つの特徴は、政府の政策といいながらも、政府にはその財政負担がほとんどないことです。制度による負担は社会全体で分担します。


さらにFIT制度のいいところは、市民が再エネ発電事業者になれてしまうことです。発電事業者が個人であろうが、大企業であろうが差別されません。


これほど平等で、公平、さらに効率よく新しい産業を育成する経済政策は、これまでなかったと思います。


ただFIT制度によって、お金の流れる方向が決まってしまいます。その結果、発電方法の一部だけが格別に優遇されてしまう危険があります。その結果、後でバブルがはじけてしまう危険もあります。


それには、気をつけなければなりません。再エネで発電された電力が優遇されすぎては、再エネは独り立ちして育ちません。


そのさじ加減に気をつけなければなりません。その意味で、FIT制度は再エネの進捗状況に応じて順次改革し、再エネが一人前になったら、制度を廃止しなければなりません。


逆にFIT制度の廃止時期が早すぎると、それまでに育った再エネ産業を破壊してしまう危険もあります。


これは、FIT制度は常にモニタリングして、市場の状況を正確に把握しなければならないことも意味します。


(2021年3月17日)

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関連サイト:
ドイツの最新FIT制度法案ダウンロード(ドイツ語)
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