2018年7月掲載 − HOME − 再エネ一覧 − 記事
環境国ドイツよ、お前もか
(2007年2月4日)

ドイツは今年1月1日から、EU議長国(ただし6月末まで)とG8の議長国を務め、1月はじめから勢力的に外交を展開している。また、環境保護の先駆者といわれるドイツは、2つの議長国を兼務することを利用して、特に地球環境問題を最重要課題にしたいとしている。


だがドイツは、二酸化炭素の排出を削減するために導入されているEUの排出権取引において、当初約束していた二酸化炭素の国内排出枠を拡大するほか、自動車の1キロメートル当たりの二酸化炭素排出量を制限するとするEUの提案もブロックするなど、こと二酸化炭素に関しては、EUの地球環境政策を真っ向から妨害している。


こうしたことから、欧州委員会のディマス環境担当委員は2月4日のビルト紙日曜版で、「地球環境におけるドイツの努力は認めるが、イギリスやスウェーデンなどと比べると先駆者とはとてもいえない」と発言。ディマス環境担当委員は控え目には表現しているものの、本音は、ドイツは口は達者だが、行動が伴っていない、といいたかったと見られる。


自動車の問題についていうと、ドイツの自動車メーカーが燃費を下げて二酸化炭素の排出量を削減する技術において、日本はもちろんこと、イタリアやフランスの自動車メーカーからも遅れている。特にドイツの自動車メーカーには、ダイムラー・クライスラーやBMWなど高級大型車を主流とするメーカーが多く、自動車の燃費を小型車並みに下げるのが難しいという事情がある。


そのためドイツ政府は、ドイツの基幹産業である自動車産業を守らなければならないという苦しい立場に置かれている。


(2007年2月4日)
記事一覧へ
この記事をシェア、ブックマークする
このページのトップへ