2018年7月掲載 − 脱原発
イタチごっこのキャスク輸送
(2008年11月10日)

7日仏ラ・アーグの再処理工場を出発した高レベル放射性廃棄物の入ったキャスク(輸送容器)は、日曜日の9日中にドイツのゴアレーベンにある中間貯蔵施設に搬入される予定であった。


だが、道中で反対派の執拗な抵抗にあい、10日夜遅くになっても、中間貯蔵施設から20キロメートルほど離れた地点で足止めをくった状態となっている。


反対派は、独仏国境付近で輸送経路となる線路の枕木やレールにからだを縛り付けるなどして輸送を妨害。中間貯蔵施設周辺の道路でも、コンクリートの塊を持ち込んでからだを結び付けるなどして座り込みをし、トラクターでバリーケードをつくったりして、キャスクの輸送経路になる見られる道路をすべてブロックした。


警官隊は、事態がエスカレーションしないよう慎重に反対派を道路から排除しているものの、反対派が数千人と予想以上にたくさん集まったことから、輸送経路の確保に手こずっている。


ドイツでは現在、放射性廃棄物の輸送は、再処理によって発生した高レベル放射性廃棄物の輸送しか行われておらず、今回が2年ぶりの輸送。


政府と電力業界が脱原発で合意したことで、反対運動は一時静まる傾向が見られた。


だが、来年秋の総選挙で中道右派政権ができた場合に、脱原発政策が撤回されることが明らかなことから、反対派の活動が活発化してきている。


さらに、現政権下で最終処分地の再選定が進まないほか、来年秋の総選挙で中道右派政権ができた場合、これまで最終処分地の予定地候補となっているゴアレーベンが最終処分地として最終決定されるのが間違いないと見られ、反対派は危機感を募らせている。


ゴアレーベンの地層は岩塩層だが、その適正を調査するために使用されていた最終処分研究施設で、水が侵入するなど岩塩層の適正を疑問視する問題が出てきたことなどが、反対派をより一層刺激している。


(2008年11月10日)
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