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ヨーロッパの再エネと原発の現状  1/5
(2008年10月24日)
1) ヨーロッパにおける原子力発電所の現状

現在、ヨーロッパ(ロシア、ウクライナを除く)では、151基の原子炉が稼働しています。


ヨーロッパでは、1986年に起こったチェルノブイリ事故後、原子力発電所の建設が滞っていました。その突破口を開いたのがフィンランドで、現在、2011年完成を目指して、欧州加圧水型炉EPRが建設中。それに続き、フランスで2006年にEPR型炉の建設が開始されました。さらに、ヨーロッパ全体では現在、25-40基の原子炉の建設が計画ないし検討されています。


今後、原子力発電所の建設が具体的に進行していくのは東ヨーロッパで、スロバキアで2基、ブルガリアで2基の建設がまもなく開始されます。東欧では、EU加盟条件としてこれまでに原子炉6基が停止され、今後さらに、2008年末にスロバキアで1基、2009年末にリトアニアで1基停止される予定です。


今後、最も原子炉の建設が急ピッチで進みそうなのはイギリスです。現在、現在稼働中の19基の原子炉の老朽化が激しく、2020年までに17基を停止せざるを得ない模様。そのため、ブラウン政権は2018年までにまず原子炉6基を完成させ、最終的には発電に占める原子力発電の割合を現在の18%から40%に引き上げたいとしています。


チェルノブイリ事故後脱原発政策を取っていたイタリアですが、今年の選挙でベルルスコーニ政権が復活すると、原子力発電を再開すると発表しました。


脱原発政策を続けるドイツでさえも、来年2009年の総選挙で中道右派政権が誕生すると(まだ確実ではないが)、脱原発政策が撤回されるのは間違いありません。ただその場合でも、原子炉の新設ではなく、原子炉の寿命を延ばすことになると見られます。


(2008年10月24日)
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