6日、ドイツ・ケルン近郊の石炭型火力発電所で、発電所から排出される二酸化炭素を海藻に吸収させ、それを固定するためのパイロットプラントが運転を開始した。
これは、海藻に発電所から排出される煙ガスから二酸化炭素を吸収させ、光バイオリアクターによって太陽の光で海藻を培養する施設。
最終的には、海藻を乾燥させてバイオマスとして利用することを実証する。
独電力大手のRWEが大学などの研究機関と共同で行うプロジェクトで、年間、最高約6トンの海藻乾燥物を生産する。
海藻を利用するこの種の研究開発施設としては、ドイツではすでに今年8月に独電力大手のEonがハンブルクで試験施設を稼働させている。
ただ海藻では、施設の規模を大きくしても火力発電所から排出される二酸化炭素の10%程度しか吸収できないと見られる。
また、二酸化炭素を吸収した海藻をバイオ燃料として利用すれば、吸収された二酸化炭素を再排出することになる。
そのため、海藻をこの種の目的に利用する技術開発を疑問視する研究者も多い。(福本)
(2008年11月11日) |