ドイツ政府は1日、二酸化炭素を分離、輸送して地下層に永久貯留することを規制する法律(二酸化炭素貯留法)の草案を閣議決定した。
法案はまず、二酸化炭素分離貯留(CCS)技術の実用化、経済性を検証するための実証プラントを対象とするもので、その立地場所選定基準、安全・環境基準、許認可手続き、損害賠償などについて規定している。
現在のところ、ヒュルト(ノルトライン・ヴェストファーレン州)、ヴィルヘルスムハーフェン(ニーダーザクセン州)、イェンシュヴァルデ(ブランデンブルク州)で、独電力大手3社が実証プラントとして、CCS技術を備えた400MWから450MWクラスの石炭型火力発電所の建設を計画している。
ドイツ政府は2015年に、CCS技術の実用性についてそれまでに蓄積された経験を評価するとともに、国外で得られた知見と比較し、その将来性について検討する予定という。
法案は、CCS技術プラントの運転者に、プラントの停止/閉鎖後も30年の損害賠償義務を課している。プラントの寿命は最高50年と見られることから、運転者は最高80年の損害賠償義務を負うことになる。
その後の責任は、プラントの立地州に移転される。
CCS技術プラントの運転者は、二酸化炭素の貯留を開始する時点から、貯留する二酸化炭素に対して、損害賠償保険の形か州に手数料を支払う形で、リスク負担を負うことになる。
(2009年4月6日) |