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フランスで原子力依存の弱点露呈
(2009年1月12日)

フランスは電力の70%超を原子力でカバーし、原子力の依存率が非常に高い。


そのフランスで、現在、寒波の影響で電力が不足している。


これは、フランスが原子力で発電された電力を消費するため、積極的に電気ストーブの普及を促進してきたからで、一般家庭の約3分の1が電気ストーブで暖房していると見られる。


だが、原子力で発電された電力はベース電力として利用され、技術的にも原子力発電は100%稼働を原則とするので、電力消費の変動に対応できないという弱点がある。


そのため、原子力依存度が高ければ高いほど、たとえば寒波などで電力消費が急増すると、柔軟に発電量の調整のできる火力発電の割合が十分でないので、それをカバーするだけの発電容量が足りないという問題が発生する。


送電線網も、原子力発電を基盤とした多量のベース電力に合わせて設置されているので、送電線網の容量も、電力需要の大きな変動に十分対応しきれない可能性も考えられる。


また、ベース電力が多量にあることから、それを使う必要があり、そのため、省エネが進まないという問題もある。


ドイツのメディアが報じているところでは、現在、フランスは国内の電力不足をドイツからの輸入でカバーしているという。


(2009年1月12日)
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