2014年9月18日掲載 − HOME − エネルギー・インタビュー一覧 − インタビュー
インタビュー:
アルトゥーア ・ ケーニヒ市長(1)

廃炉中のグライフスヴァルト原発近郊にあるグライフスヴァルト市市長
Q:原発が近くにあるが、当時市に対して財政支援はあったのか

原発から約20キロメートル離れているので、市自体は直接な財政支援は受けていなかった。

しかし、たくさんの職員がグライフスヴァルトから通勤していたので、原発は市にとってたいへん重要な存在だった。


Q:閉鎖後、大規模な解雇があったのか

なかった。

運転されていた1号機から4号機に関しては原発職員全体で約6000人いあたが、その多くはまず廃炉に必要な人材としてそのまま残った。

5号機(試運転中だった)から8号機は建設中で、工事に携わっていた人材はグライフスヴァルトを離れて、他の地域にいった。


Q:閉鎖前の市の人口は

閉鎖前は7万人超だった。

現在は、学生を含めて6万人超だ。学生は入れ替わりがあるので、住民は5万5000人くらいだ。

民主化後原発ばかりでなく、その他の企業も閉鎖を余儀なくされたので、人口が減った。


Q:ということは、民主化後人口は減り続けているのか

人口は減少している。

しかし、単に原発や企業が閉鎖されたから減っているということではなく、一軒家を持つために市周辺の村などに移住する住民も増えたからだ。

移住した人の4分の3はグライフスヴァルト周辺地域に、残りの4分の1が完全にグライフスヴァルトから去ったといえるだろうか。


Q:廃炉中、市は財政上の利点があるか

財政上の利点があるのは、ルブミン(原発直近の村)だけだ。

ルブミンは独立した自体で、市には属さないので市には利点はない。(ルブミンが)市に属しておれば、営業税の税収があった。


Q:廃炉中の放射能汚染に対する心配はないか

フクシマ後、この問題に敏感になっているのはわかる。しかし、原発が新設されることはないので、心配していない。

放射性廃棄物は、現場で中間貯蔵されるので問題ない。


Q:住民はどう思っているか。原発に対するアクセプタンスは

当時、たくさんの人が原発で働いていたので、たいへん高いアクセプタンスがあった。

ただ、フクシマ後(原発に対する)市民の見方は変わった。


Q:市民は原発の閉鎖に賛成だった、反対だったか

住民投票があれば、閉鎖に反対票が多数を占めただろう。まあ想像だが。


(グライフスヴァルト市庁舎でインタビュー)
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