2018年10月09日掲載 − 脱原発
廃炉の会計処理

廃炉は、技術的な面や安全上の面について語られることが多い。でも、廃炉の問題はそれだけではない。廃炉する原発を、会計上処理しなければならないことも知ってもらいたい。


というのは、これまで固定資産であった原発が、廃炉によってなくなってしまうからだ。そのため、その資産をバランスシート上会計処理して、その分を消してしまわなければならない。


ただそれは、簡単にできるものではない。資産を一度に消してしまうと、企業価値が急に下がってしまい、買収の対象となりかねない。そのため、慎重さが求められる。


廃炉によって費用が発生するわけだから、その費用をどう会計上処理するかも考えなければならない。それに対して、日本では使用済み核燃料を再処理するので、核燃料には価値が残っている。それも、どう会計上取り扱うのかも制度上の仕組みが必要だ。


廃炉によって会計処理が企業経営に大きな影響を与えるようでは、廃炉への決断が遅れたり、いつまでたっても運転を継続することになりかねない。日本では、数年前までそれに関して何も制度がなかったようだ。原子炉の高経年化を考えると、そこまで何もしてこなかったのは不思議でしようがない。


日本では、5年ほど前になってようやくこの問題でいろいろ議論され、制度化されたと聞いている。詳細はとても専門的なので、ここでは挙げない。関心がある方は、ネットなどから情報を得てほしいと思う(たとえば、以下関連情報)。


ドイツでは、燃料棒を原子炉から取り出した時点で、原子炉の価値がなくなるように会計処理すると聞いた。それまでに、時間をかけてバランスシートから原子炉資産を消してしまうのだという。廃炉を開始する時点では、すでに会計処理が終わっているとも聞いた。


(2018年10月09日)


関連情報:
「自由化の下での廃炉に関する会計制度について」(資源エネルギー庁)
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