2018年11月27日掲載 − 脱原発
廃炉は安全貯蔵か、即時解体か

ドイツでは、これまで安全貯蔵と即時解体の2つの廃炉方式で廃炉が行われてきた。ドイツが脱原発を決めた2000年前からすでに、実証炉や開発に失敗した高温炉のほか、研究炉の廃炉も開始されていた。


安全貯蔵の廃炉方式が採用されたのは、リンゲン原発、グンドレムミンゲンA号機、ハムウェントロープ原発など。リンゲン原発では現在、安全貯蔵期間を終え、解体作業が行われている。グンドレムミンゲンA号機では廃炉工事を中止し、跡地をテクノロジーセンター化することになった。ハムウェントロープ原発は現在、安全貯蔵中だ。


即時解体で廃炉工事が行なわれているのは、ヴュルガッセン原発、グライフスヴァルト原発など。2000年の脱原発合意後に廃炉を開始したオブリヒハイム、ミュルハイムケアリヒ原発などは、すべて即時解体を選定している。


ただグライフスヴァルト原発では即時解体で廃炉工事をはじめたが、途中から圧力容器を取り外したまま中間貯蔵施設で保管し、線量が下がるまで待っている。即時解体に少し安全貯蔵方式を組み合わせたような形になっている。


これまですでに述べてきたように、安全貯蔵では、放射線量が下がってから解体するので廃炉作業の危険を低減できるが、現場の状況やノウハウを熟知した職員が解体時にいないという欠点がある。それに対して即時解体では、線量が高い状態で解体作業をするので危険だが、現場のことを熟知している現地職員がいるので現場の状況に応じて解体工事がしやすいという利点がある。


ドイツで試算された限りでは、安全貯蔵と即時解体の間には廃炉コストと廃炉期間に関して大きな違いはない。


ただ廃炉に関しては、解体にロボットなど遠隔操作できる技術が開発され、被ばくの危険を縮小することができるようになった。さらに、原子炉停止後に地元でできるだけ多くの雇用を維持すると同時に、廃炉の間に地元の構造改革を進めるには、即時解体のほうが適しているともいえる。


また、怪物のような格納容器の姿をできるだけ早く消滅させるにも、即時解体のほうが適している。


こうしたいろいろな面を考慮し、ドイツでは即時解体のほうしか選択されないようになってきた。実際、最終処分を法制化する段階において、廃炉を即時解体だけに限定することが確定した。


(2018年11月27日)


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