2018年9月16日掲載 − HOME − 脱原発一覧 − 記事
廃炉の前提は

実際の廃炉(廃止措置)を行うに当たって、大切なことがある。


それは、廃炉を行いやすいように設計段階で、その基本的な段取りを決めておくことだ。


たとえば、圧力容器など格納容器内にある機器を解体して取り出すことを前提に、設計されているかどうかが、後になって重要になる。そのためには、機器を取り出すのに十分なスペースがあることが必要だ。また機器の重量を考えて、格納容器内に十分な積載重量のあるクレーンを設置しておくことも必要となる。


また、廃炉まで設計図をどう保管、管理しておくかも考えておく必要がある。設計図なしには、現場がどうなっているのかわからないので、廃炉での危険が大きくなる。


稼働期間中、改良工事が行われたりする。その状況を把握するために、改良工事の図面をどう管理するかも重要なはずだ。


こうして、最終的に廃炉することを前提として設計するばかりでなく、その後も抜かりなく管理しておかなければならない。


ドイツでは、設計段階で廃炉について考慮されていることが建設許認可を出す前提になっている。


日本についてはどうなのか、筆者はよく知らない。ただ原子炉が建ってしまっている以上、もう後戻りはできない。


(2018年9月16日)
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