本サイトでは、再生可能エネルギー化に取り組むドイツの自治体について、4つの事例を紹介した。そのうちのザーベック町とライン・フンスリュック郡については、その後独自に取材し、日本のメディアにも投稿した。
取材した2つの自治体においては、エネルギー供給の再生可能エネルギー化に取り組むばかりではない。青少年のエネルギー教育にも、とても力を入れているのが特徴的だった。
ザーベック町とライン・フンスリュック郡は、学校ないしその近くに目に見えるような形で木屑などのバイオマスを燃料とするボイラーを設置し、学校に熱源を供給している。
自治体が実施する再エネプロジェクトにおいても、学校の生徒ができるだけ参加できるように工夫してあった。
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ザーベック町教育施設を訪問中の米国ミネソタ州州知事一行 |
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2つの自治体でもう一つ共通していたのは、独自のエネルギー教育施設を持っていることだ。教材は、地元学校の先生たちの協力を得て、独自に作成したのだという。たとえばザーベック町の場合、教材の作成に1年もかけて仕上げていた。エネルギー教育の教材では、パイオニアだという説明も受けた。
ザーベック町では、主に小学校、中学校の生徒から学べるようになっていた。それに対してライン・フンスリュック郡では、さらに小さい幼稚園児からもエネルギーについて遊びながら学習することができるようになっていた。
ザーベック町の教育施設内のホールでは、ちょうどザーベック町のロース町長と町の関係者が、米国ミネソタ州からきていた州知事一行のミッションとエネルギー教育の重要性についてディスカッションしていた。米国のミッションからは、自治体自らがエネルギー教育をしていることにとても感心したという発言がいくつもあった。
ライン・フンスリュック郡の教育施設では、「ゴミの墓地」がある。墓標の下には、20年前の古い靴やペットボトルなどのゴミが埋め込まれている。小さなこどもたちがそれを掘り起こすことによって、いかに古いゴミでもまだ形を残していることがわかる。それを資源として再利用すれば、貴重な資源となる。こうして、ゴミの大切さを知ってもらいたいのだという。
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ライン・フンスリュック郡教育施設のゴミの墓地 |
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いずれの自治体でも、こどもの時からエネルギーについて教育するのが重要だとの指摘を受けた。こどもにゴミの分別の必要性とその方法を教えておけば、こどもの親はゴミを正しく分別せざるを得なくなる。
ザーベック町も、ライン・フンスリュック郡も、生ゴミを資源として使っているので、ゴミの分別はその基盤となるものだ。ザーベック町のロース町長は、「町では、ゴミの分別がほぼ100%正しく行われている」と誇らしく話してくれた。
(2019年9月28日)
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