2019年12月28日掲載 − 再生可能エネルギー
再エネ投資が10年で半減

ドイツの再生可能エネルギー作業部会(AGEE)は、ドイツ経済エネルギー省の委託を受けてドイツにおける再エネの進捗状況をモニタリングしている。その統計データによると、2018年に再エネの発電施設を設置するために投資された額は、全体で135億ユーロだった。そのうち、風力発電が75億ユーロと一番多く、次に太陽光発電の31億ユーロと続いた。


ドイツの再エネ投資のピークは、2010年の279億ユーロだった。それに比べると、再エネへの投資額は10年間で半減した。


2010年当時、再生可能エネルギー法の改正によってメガソーラーで発電された電気の買取価格が大幅に引き上げられていた。それに伴い、メガソーラー・ブームの続いた時期だった。


しかしその後、メガソーラーに対する規制が厳しくなり、現在太陽光発電の中心は、個人住宅の屋根など小型発電施設に移行している。


風力発電に対する投資の割合が多いのは、洋上風力発電の建設が進み、大型投資が拡大したからだと見られる。


ただ現在、再生可能エネルギー法による固定価格買取制度(FIT制度)の枠内で再エネ発電施設を設置するには、入札制度でその設置権を取得しなければならない。入札制度においては、年間に設置される発電容量にも上限が設定されている。


こうした入札制度による制限も、現在再エネ投資を抑える要因となっている。


本サイトでも報告しているが、風力発電産業が現在、受注不足で危機的な状態に陥っている。今年2019年の再エネ投資は、前年2018年よりさらに大幅に縮小しているのは間違いない。


アルトマイアー・ドイツ経済エネルギー大臣が反再エネ派であることも、現在ドイツ政府が再エネ問題で無策になっている要因だ。


ドイツ政府は、2038年までの脱石炭を決定した。気候変動問題に対する施策をまとめた気候保護法も下院の連邦議会を通過したものの、州の代表で構成される上院の連邦参議院の合意を得ることができず、連邦と州は、CO2の課税額を引き上げるなど妥協したばかりだ。


同法で、ドイツは2030年までに二酸化炭素など温室効果ガスの排出量を1990年比で55%削減するとしている。それが守れないと、ドイツはEUに対して多額の罰金を支払わなければならない。


さらにEU委員会は、2050年までに地球環境において二酸化炭素の量が増えないようにするカーボンニュートラルを実現することを目標にするとしたばかりだ。


これらのノルマと目標を達成するには、再エネは不可欠どころか、さらに速いテンポで拡大しなければならない。


しかし、ドイツ政府にはそのための政策がないどころか、その強い意志も感じられないのが現状だ。


今後、ドイツはどうするつもりなのか。気候保護法が施行した後、その後の政策状況を注視していくしかない。


(2019年12月28日)
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関連リンク:
再生可能エネルギー作業部会統計(AGEE-Stat)
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