2019年3月02日掲載 − 再生可能エネルギー
脱石炭立法化は諮問案通りか

ドイツ政府は石炭委員会を設置し、脱石炭に向けたロードマップ案を諮問させた。その最終諮問案では、先月1月26日未明、遅くとも2038年までに石炭火力発電と褐炭の採掘を終えることが合意された。


それについては、エネルギー選択宣言ブログの「ドイツ、脱石炭に向けてスケジュールを確定 」でコメントした。


ただその後、メルケル首相をはじめとして保守系政治家や保守系メディア、経済界寄りの経済研究所などが、ドイツ経済に大打撃を与える、納税者負担を激増させるだけなどとして、最終合意された諮問案をかなり厳しく批判した。


こうした状況において、石炭委員会に参加していたドイツの3大環境団体は緊急記者会見を開き、諮問案の内容について詳しく説明するほか、諮問案を擁護しなければならない状況に追い込まれた。3大環境団体は、諮問案の内容に満足したわけではない。だが、脱石炭への第1歩を踏み出すため、諮問案に同意したのだった。


会見では、「(諮問案は)、環境団体とドイツ電事連が委員会において激しく対立しながらも妥協した社会的コンセンサスだ 」と主張。それを今さら、政治が批判するのはお門違い。社会的コンセンサスを無視するのと同じだと、諮問案批判を逆に批判した。


脱石炭により、ドイツ西部ではノルトライン・ヴェストファーレン州が大きな打撃を受ける。そのラシェット州首相に、ちょうどタイミングよくこの点について質問することができた。


ラシェット州首相はメルケル首相に近い保守系政治家だが、「政治において、この点についてはすでに合意ができている。諮問案は、1対1で立法化されると思う 」とした。


ただ脱石炭を支える一つの法律として、ドイツ環境省は、「気候保護法」を制定することで進めている。しかしこれが現在、与党内で合意できずに棚上げ状態になっている。


ドイツ政府の本音としては「二酸化炭素税」を導入し、その代わりに再生可能エネルギーの割合が増えている電気に対する課税を減税したい意向。またそれが、今最も効果的な施策だと見られている。


しかし、燃料税引き上げに抵抗してフランスで拡大した「黄色いベスト」反政府デモ(さよなら減思力の「地方からの革命」を参照)がそれを躊躇させている。フランスの二の舞を踏みたくないからだ。


(2019年3月02日)
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