2019年9月17日掲載 − 脱原発
廃炉中に工業団地も

廃炉後の跡地の利用については、ドイツではこうではないといけないという規定はない。現場に与えられた条件に応じて、柔軟に対応されているように思う。


ただ廃炉中も含め、跡地をいかに有効かつ安全に利用するかを考えることが重要だ。


前回紹介した廃炉後の事例は、単に緑地化されたケースだった。それは、廃炉された原子炉が小さかったこともあると思う。


ぼくが取材してきた大きな商業炉の廃炉現場においては、まだ廃炉中であっても、すでに再利用できる跡地は再利用されていた。


たとえば、ドイツ西部のリンゲン原発。ここでは、原子炉が放射能濃度が下がるまで安全貯蔵中だ。でもその周辺の敷地では、天然ガス発電所が建設され、すでに稼動していた。


世界で一番大きな廃炉現場と思われるドイツ北東部のグライフスヴァルト原発では、廃炉のために中間貯蔵施設が設置された。その中に、使用済み燃料のほか、原子炉圧力容器や蒸気発生器が貯蔵されている。


ただ1キロメートル幅の大きなタービン建屋は、すでに洋上風力発電産業の企業などが誘致され、再利用されていた。原発の冷却水排水口も、洋上風力発電用の大きな資材などを運び出すための港に改造され、再利用されていた。


その他原発敷地は、放射線管理区域以外はすでに規制解除され、エネルギー関連の工業団地として整備され、企業が誘致されていた。工業団地敷地には、さらに天然ガス発電所が建設される予定だ。


こうして原発跡地に新しい天然ガス発電所などを建設すれば、原発周辺に設置されている既存の変電所や容量の大きい高圧線などをそのまま再利用できる利点がある。


(2019年9月17日)
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