2019年2月26日掲載 − HOME − 脱原発一覧 − 記事
除染後測定する

除染されたものは、測定するために測定施設に運び込まれる。「除染する前に小さく切断する」でも説明したように、除染されたものはすべて、以下の写真にあるように、小さなカゴに入れられている。


写真左奥にある小屋が、測定監視室。その奥に測定ボックスがあり、除染されたものの入っているカゴが、一つ一つフォークリフトで測定ボックスに入れられて測定される。この作業は、原発解体後に放射線管理区域から排出されるものすべてに対して繰り返される。


原発の大きなを考えると、とてつもなく莫大な作業だ。


ただこれまでの経験から、いくら除染しても放射性廃棄物として取り扱わなければならないものはわかっている。そういうものは除染しないし、測定もしないといわれた。


測定において基準となるのは、クリアンランス基準といわれる年間線量10マイクロシーベルトだ。それを基盤に、放射性核種毎に上限値(ベクレル値)が規定されている。ドイツでは、その上限値は放射線防護令で一つ一つ規定されている。対象となる放射性核種は、30種を超える。


測定結果はすぐに、測定監視室のパソコンに表示される。上限値を超える放射性核種が一つでもあれば、まだ放射性廃棄物だ。パソコンの画面では、上限値を超えた放射性核種のベクレル値が赤で表示されていた。


赤表示が出たものは、再除染する順番を待つために中間貯蔵施設で一旦保管されるか、そのまま除染施設で再除染される。


上限値をすべてクリアすると、放射性廃棄物ではなくなる。原子力法の管理下から解放される。産業廃棄物ないし一般廃棄物を規制する法規にしたがって、リサイクルないし再利用されるか、処分される。


写真奥に積まれているカゴには、測定後に放射性廃棄物から解放されたものが入っている。


ただそれが今後どう利用されるかは、わからない。リサイクル・処理業者任せだといわれた。


(2019年2月26日)
記事一覧へ
この記事をシェア、ブックマークする
このページのトップへ