2019年3月19日掲載 − 脱原発
ガンマ核種しか測定されていない?

除染された物体には、ガンマ核種とベータ核種、アルファ核種がまだ付着している可能性がある。たとえば、ガンマ核種ではセシウム137、ベータ核種ではストロンチウム90、アルファ核種ではプルトニウム239などがよく知られている。


これら3種の放射性核種の放出する放射線が物質を透過する能力には、それぞれ違いがある。その透過力からすると、ベータ核種とアルファ核種では、放射線は測定対象となる物体を透過することができない。


ということは、何を意味するのか?


ベータ核種とアルファ核種が測定する物体の裏面表面に付着していても、測定されないということだ。さらに、ベータ核種とアルファ核種が測定物体の中に入り込んでいた場合にも測定されない。


測定器にその能力があっても、ベータ核種とアルファ核種は測定点の表面(!)に付着していない限り、測定できないのだ。


でも、除染した後に放射性核種が物体の表面に付着したままになっているのは、それほど考えられない。測定前に十分に除染されていないのなら、除染の意味もない。


いずれにせよ現状の測定方法では、放射性廃棄物とするかどうかを判断する測定において、ベータ核種とアルファ核種の汚染は測定されていないのではないか。


除染後に物体が測定されている様子を見ていて、この点がとても疑問に思った。それで、グライフスヴァルト原発において廃炉の取材をした時に、測定現場において「これでは、ガンマ核種しか測定されていないのではないか」と質問した。


すると、案内してくれていたプレス担当のフィリップさんはちょっと困ったような顔をして、「そうだ」と答えてくれた。


思った通りだった。


ベータ核種とアルファ核種は、実際にどの程度残留しているかを測定によって確認されていない。それでも廃炉によって排出された物体は、クリアランス基準を下回ると放射性廃棄物から解除される。


これが、廃炉の現実だ。


その物体がリサイクルされると、ベータ核種とアルファ核種はわれわれの日常生活のすぐ近くにまで入り込んでくる。


(2019年3月19日)
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