2019年12月03日掲載 − 脱原発
使用済み核燃料中間貯蔵施設を設置するには

ドイツ北東部にあるグライフスヴァルト原発は、現在廃炉中だ。廃炉を開始して、まもなく30年になろうとしている。


その運用会社が今年2019年6月、使用済み核燃料用の中間貯蔵施設を新設するため、許認可を申請した。


使用済み核燃料は現在、原発敷地内にある中間貯蔵施設に保管されている。しかし、その安全基準が2011年に引き上げられたことから、いろいろ検討した結果、使用済み核燃料のキャスク74基を移設するため、中間貯蔵施設を新設することになったという。


もちろん、乾式だ。


中間貯蔵施設の重要性が増していることは、すでにサイトでも報告してきた。それだけに、ドイツにおいて中間貯蔵施設設置の許認可手続きがどのように行われるのか、今回のグライフスヴァルト原発による申請を参考にして紹介しておきたい。


計画は、許認可を申請する17カ月前の2017年12月に発表された。その半年後に、地元周辺自治体を既存中間貯蔵施設の視察に招待。移設の事情などを説明した。


その5カ月後の2018年11月に、周辺自治体に対して新しい中間貯蔵施設の設置場所などの説明会が行われた。


その半年後の2019年5月から住民に情報を公開するため、住民用のパンプレットやホームページによって情報を提供。さらに、住民と情報交換するための催し物が開始された。


それを終えて、同月末に許認可を申請。申請書が管轄官庁によって受領された後、申請書類もホームページで公開されている。


許認可申請後約6カ月後の2019年11月、環境アセスメントを開始するため、管轄官庁のドイツ核技術最終処分安全庁が、地元自治体、地元州、関連企業、地元の環境団体と、提出すべき書類など環境アセスメントの対象となる範囲について審議した。


許認可を申請する直前にも、住民説明会が行われている。だが、この段階ではまだ住民は異議を申し出ることはできない。


環境アセスメントが開始されると、その枠内で公聴会が開かれ、住民はその段階ではじめて異議を申し出ることができる。環境アセスメントでは、住民の異議を配慮しなければならない。


しかし問題は、住民の異議がどの程度真剣に取り入れられるかだ。それは、今後の進行を待つしかない。


これまで説明した手続きは、中間貯蔵施設の安全に関するものだ。


中間貯蔵施設の建物の建設については、別途認可を申請しなければならない。新設される中間貯蔵施設は早くとも、2025年にならないと運用できないと見られる。


(2019年12月03日)
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関連サイト:
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