2020年2月04日掲載 − 脱原発
原発からの放射性廃棄物

今回、原子力発電によって排出される放射性廃棄物をさらに細かく分類しておきたい。


一番よく知られているのは、使用済み核燃料だと思う。これは、核燃料を交換する時に発生する。放射される放射線量が非常に高い。人は近づくことさえもできない。


使用済み核燃料は、原子炉圧力容器から出したばかりだと、まだとてつもなく熱い。だからまず、原子炉内にある貯蔵プールに入れて冷やす。これも一つの中間貯蔵だ。だいたい5年間冷やして貯蔵プールから出し、別の場所で中間貯蔵するのが普通だ。


この場合、乾式貯蔵する。地上に特別に大きな倉庫をつくって、そこに最終処分するまで保管するのだ。そのほうが、貯蔵プールの水中に保管するよりも俄然安全だ。


ただ日本では、この乾式中間貯蔵がほとんど普及していない。地震国日本では、地震によって貯蔵プールに亀裂が入る心配がある。でも日本では、国内にあるほとんどの使用済み燃料が長期に渡って貯蔵プールに保管されている。


とても危険な状態に置かれていると思う。


原発内で発生する放射性廃棄物は、使用済み核燃料だけではない。


原発が運転されている時も、放射線管理区域では毎日のように放射性廃棄物が排出されている。


たとえば、放射線管理区域で作業する作業員の手袋や防護服。その他ラップなど。水を使って作業すれば、その水も汚染されている可能性がある。


メンテサンスや修理作業が行われる時は、より多くの放射性廃棄物が排出される。


ただこうして排出される放射性廃棄物は、それほど汚染されていない。熱も発しない。


これら放射性廃棄物は、固体の場合、ドラム缶に入れて保管する。液体はセメントに混ぜて、コンクリートブロックとして保管する。液体に関しては、原発内に放射性物質を取り除く、ろ過装置もあるのが普通だ。


原発内の放射線管理区域では、空気が汚染されている危険もある。だから、建物内の空気を排出する場合、排気する前にろ過装置で放射性物質を取り除く。


ろ過装置で取り除かれた放射性物質も、放射性廃棄物として適切に保管して、処分されなければならない。


原発の運転中に排出される放射性廃棄物は、まず原発サイト内に保管される。その後どうするかは、各国によって異なると思う。


ドイツの場合、当初原発サイト内に中間貯蔵施設がなかった。そのため、定期的に中央中間貯蔵施設に搬出されていた。ただドイツでは現在、各原発サイト内に中間貯蔵施設が設置されている。そのため現在は、サイト内で保管される。


放射線管理区域の建物では、放射性物質が浮遊している可能性もある。その場合、建物内の圧力を大気圧よりも低くする(低圧)。そうすれば、浮遊している放射性廃棄物は外の大気に放出されない。


福島第一原発事故後でも明らかになったが、ろ過装置を使ってもすべての放射性物質を取り除くことができるわけではない。さらに、ろ過装置が故障することも考えられる。


そのため、原発周辺には汚染を測定するポイントをいくつも設け、常時測定している。


ただそうしても、100%の安全を保証できないのが、原発の問題である。


(2020年2月04日)
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