2020年1月21日掲載 − 脱原発
放射性廃棄物はどこで発生するのか?

前回、放射性廃棄物が法的にどうなっているか、その基準について簡単に述べた。次に、放射性廃棄物がどこから排出されるかによって、放射性廃棄物を定義したい。


その前に、注意しておきたいことがある。


原子力を利用するための核燃料サイクルには、ウラン採掘から精錬、濃縮、成型加工まで、核燃料が原発に搬入されるまでのプロセスが含まれる。だから、そこで排出されるものも、放射性廃棄物だと思っている人が多いと思う。だが、このプロセスで排出されるものはウラン廃棄物として扱われる。


このプロセスの間では、ウラン235がまだ核分裂していないことにも注意してほしい。


ウラン濃縮によって、劣化ウランが残る。その劣化ウランは、劣化ウラン弾や医療用放射線機器などから放出される放射線の遮蔽、飛行機やヨットのカウンターウェイト、列車のマスバランス(重心調整おもり)などとして利用できる。


その他にも、用途があるということだ。その場合、廃棄物としては扱われない。廃棄物とは、もう他に用途がないので、廃棄するしかないものだ。


まとめると、放射性廃棄物は基本的に、すでに使用された放射性物質と、放射性物質によって汚染されたものとすることができる。ただそれに、それ以後何らかの用途で使われることのないものと付け加える必要がある。


放射性廃棄物が主に排出されるのは、原子力発電所などの原子力施設からだ。さらに、放射性同位体を利用する医療(放射線治療)や産業からも、利用後に放射性廃棄物が残る。研究開発の分野においても、利用後に放射性廃棄物が残る。これらは、専門的にはRI廃棄物と呼ばれる。


放射性廃棄物は、原子力発電によってだけ発生するわけではない。だから、処分するのは、必ずしも原発によって発生した放射性廃棄物だけではない。


そのことをまず知ってほしい。


ウラン廃棄物とRI廃棄物も含め、もうその他に利用されない場合、放射性廃棄物は適切に処分されなければならない。その処分について、これから述べていくわけだ。


ただその前に、原子力発電によって排出される放射性廃棄物をさらに細かく分類しておく必要がある。それについては、次回説明する。


(2020年1月21日)
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The World Nuclear Waste Report 2019 (英語版)
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