原子力発電所は、最終的に解体される。それが廃炉だ。もちろん廃炉によっても、放射性廃棄物が排出される。
放射性廃棄物の量は、廃炉によって排出される放射性廃棄物によって莫大に増大する。その量を少なくしようとしているのが、すでに述べたクリアランス基準といってもいい。
廃炉については、すでにこのサイトでいろいろ取り上げてきた。そのため、ここでは廃炉によって排出される放射性廃棄物を簡単に分類するだけに止めておく。
廃炉によって排出される放射性廃棄物は大きく
1)原子炉圧力容器に入っていた使用済み核燃料
2)原発を解体する前に排出される汚染水などの液体。たとえば、冷却水など
3)原発を解体することによって発生する放射性廃棄物
4)除染によって排出される放射性廃棄物。これは、除染作業によって放射性物質が取り除かれることによっては発生する。排水をろ過した後に残る廃棄物、サンドブラスト廃棄物など
に分類される。
ここでわざわざ使用済み核燃料を入れたのは、使用済み核燃料を取り出すのも廃炉工事の一部だからだ。原子炉を停止した後に、廃炉工事が行われる。その時、原子炉圧力容器にはまだ核燃料が入っている。
ただ廃炉で取り出される使用済み核燃料は、運転中に交換される使用済み核燃料と同じに取り扱われる。
なので、廃炉によって排出される放射性廃棄物は、2)から4)までとする。それを今後、廃炉によって排出される放射性廃棄物、廃炉による放射性廃棄物、廃炉放射性廃棄物ということにする。
これらは、低中レベルの放射性廃棄物だ。
これで、処分しなければならない放射性廃棄物をすべて取り上げたと思う。次回は、それをまとめて分類したい。
(2020年2月18日) |